ワークマンは東京・銀座にアウトドアウエア業態「#ワークマン女子」を4月28日オープンする。近年、同社は横浜・桜木町や大阪・難波に出店しているが、東京の都心は初めて。6月には池袋にも同業態を出す。空白地帯だった都心に出ることで、新しい顧客との接点を持つとともに、認知度を高める。
銀座5丁目の中央通りの商業施設イグジットメルサの5階に297平方メートルの売り場で出店する。同じ場所では昨年9月末まで免税店のラオックスが営業していた。アウトドアウエアに加えて、本日22日から販売を開始したテントなどのキャンプ用品も並べる。現在の一番店である「#ワークマン女子」コレットマーレ店(横浜・桜木町)を上回る6億〜7億円の売上高を見込む。
ワークマンはロードサイドや商業施設に出店する際、賃料を売上高の3%以内に抑える基準を持つ。一般的なアパレルの店舗だと10%前後、場所によっては20%を超える場合もある。都心出店はだいぶ前から計画していたが、コロナ下でデベロッパー側がテナント集めに苦戦する中、集客力のあるワークマンの店舗は有利な条件で借りられる環境になっている。人気商品によって売り上げが稼げるため、結果として家賃比率は抑えられ、3%に収まらなくても黒字確保のめどが立つようになった。
6月に池袋のサンシャインシティに「#ワークマン女子」を出店し、4月には大阪のなんばシティの既存店を1.6倍に増床してインショップとして新業態「ワークマンシューズ」も併設する。都心だけでなく、東京ではこれまで手薄だった中央線沿線や東急線沿線などへの出店を増やす。土屋哲雄専務は「(都心の)百貨店からも良い条件で出店の話をいただいている」と明かす。
同社はキャンプ用品への参入を機に、オンラインで注文した商品を店舗で受け取るクリック&コレクトを重点的に強化する。「受け取り拠点として都心の店舗を機能させる」(土屋専務)方針だ。現在の940店舗から2030年までに1500店舗体制に増やす。