座右の銘は「泣かぬなら 笑わせてみせよう ホトトギス」。ZOZOTOWN立ち上げメンバーで、「ファッションチアリーダー」に就任した武藤貴宣氏が、ファッションへの愛と明るい未来について、ゆるく語ります。
(前回から続く)
すごく初期の頃、その後の人事方針を決めるような事件がありました。
社員が6人くらいの時は、アルバイトも3人くらいいたんです。そこに20歳くらいの若い女性がアルバイトで入ってきたんです。その子はガムをかみながら香水をつけて出社して、結構生意気で。僕らは真面目というか、ピュアにやっていたのに、意見も言うし、「変なやつが来た」という感じでした。なめた態度だし、試用期間が終わる時に、そこでその子の雇用はおしまいにしようということになったんです。
でも、どうやら現場は仲が良かったんですよね。ほかのスタッフにとっては少し姉御的な存在になっていて。雇用をしなかったことで本人もショックを受けたようだし、現場のスタッフもほかの子たちからも「辞めさせるなんて、あり得ない」って熱い意見がありました。それで、みんなで夜遅くまで、彼女についてどうするかを議論したんです。現場のスタッフたちは、「もうやってらんない!」みたいに、泣いたりして。
正直、僕は「ほかの若い子たちも辞めたかったら一緒に辞めればいい」ぐらいに思っていました。そんな感じで、すごく煮詰まった状態になってしまった時に、前澤(友作)さんが、腐ったリンゴの話をしたんです。「同じ箱に腐ったリンゴがあると、まわりのリンゴも腐っちゃう。だから苦しい決断だったけどやりました」みたいな感じで、丁寧に意図を説明したんです。
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