「カルティエ(CARTIER)」からハイジュエリー“シジエム サンス パル カルティエ(SIXIEME SENS PAR CARTIER)”のチャプター3が登場した。“シジエム サンス”とは、“第六感”という意味。トロンプルイユ(だまし絵)やグラフィック効果により、人間のあらゆる感覚を刺激し、想像力を掻き立てて第6感までも呼び覚ますというコレクションだ。チャプター3のキービジュアルは3点で構成。メゾンのサヴォアフェールが駆使され、躍動感としなやかさ、コントラストが融合した作品ばかりだ。
“シネステジー”ネックレスの主役は、透明感溢れる約35カラットのコロンビア産のエメラルド。その透明感と面取りを施した丸みのあるカッティングは飴玉のようで、味覚と触覚が誘発される。そのエメラルドは、四角、長方形、円形にカットされたターコイズとダイヤモンドがぎっしりと敷かれた台座にセットされており、アール・デコのような印象を受ける。ネックレスの部分には、カボションカットのエメラルドビーズをはじめ、大小さまざまな形にカットされたダイヤモンドとターコイズが立体的に連なり、グラデーションを描いている。房飾りとセンターの部分は付け替えて着用が可能で、ブローチとしても着用できる。センターは、もちろんペンダントトップとしても使用可能だ。
連続性をメゾンのコードと明暗で描いた傑作
1925年に登場した“ベレニス”と呼ばれたショルダージュエリーから着想を得たのが、“ヴィクトリエンヌ”ネックレスだ。エメラルド、天然パール、ダイヤモンド、ブラックエナメルで構成されたオリジナリティー溢れるデザインの“ベレニス”は当時センセーションを巻き起こし、グリーン、ホワイト、ブラックというカラーコントラストは「カルティエ」を象徴するコードの1つになった。“ベレニス”をモダンに再解釈した“ヴィクトリエンヌ”の中央には約16カラットのコロンビア産のエメラルドがセットされ、そのわきからダイヤモンドセッティングされた波状のパーツが連なり、それらに施されたブラックラッカーがダイヤモンドの輝きと交互に明暗のリズムを描き、視覚的に強いインパクトを与えている。ランダムにセットされたエメラルドが波状のモチーフに動きを加え、菱形にカットされたダイヤモンドがその連続性の方向を変化させる。気の遠くなるような複雑で緻密なテクニックで仕上げられたネックレスには、見れば見るほど惹きつけられる、まるで磁石のようなパワーがみなぎっている。
見たことのないカットと技術で立体的な美しさを実現
“エテラクティス”リングは、上から見ても横から見ても存在感たっぷりだ。一見、イソギンチャクのように見えるリングには、約7.8カラットのスリランカ産サファイアをセンターストーンに、ダイヤモンドとパンジール産の10個のエメラルドを花びらのようにセッティングしている。驚くのは、10個のエメラルドだ。これらの美しさを最大限に引き出すために、宝石細工職人が考案した新しい立方体のカットにより、エメラルドの上と横の両方の面がそのままリングに生かされている。上と横、別々に石をセットするのが通常だが、ジュエリー職人が外から見えないレールを使用して1個で両面の美しさを損なうことないセッティングを実現。宝石のカットには輝きが重要視される。新しいカットで輝きを出すために、レールの底面にはエメラルドが光を反射させられるようミラーポリッシュが施されているという。このリングには、宝石の美しさを最大限に生かすカット、そして、それをジュエリーに美しく仕上げるテクニックが凝縮された1点だ。