旅はいい。コロナで今は旅がしづらいが、規制が緩い合間の出張は今までよりも心に響く出会いになっている。
昨年は、徳島の藍染の聖地まで職人に会いに行った。旅を共にしたのは、「ベドウィン&ザ ハートブレイカーズ(BEDWIN & THE HEARTBREAKERS)」の渡辺真史ディレクター、そして事業の循環サイクルを生み出してステップアップに導くメイキットコープの亀石太夏代表を初めとするチーム。藍染を取り入れたサステナブルなアイテムを製作する現場で出会い、感じ、届けるための旅は、旅路でもお互いの感覚を調整するようにデザインやビジョンをシェアして過ごした。
以前のコラムでも「自然由来だから」と語りながら藍染の液をすくって舐める職人の姿に感化されたと伝えたが、徳島の藍を学び、また徳島で今注目されている上勝町のサステナブルなあり方を知り、私たちのモノづくりは更にリベラルになりそうだ。
藍染は、【合い初め】 。
【合う】 は、二つ以上のものが近寄って一つに調和すること。
【馴れ初め】は、 恋仲の者が知り合ったきっかけ、そのはじまり。
そして【合い初め】は 二つ以上のものが調和するきっかけ。特に藍によって生じること。
「ベドウィン&ザ ハートブレイカーズ」と私のブランド「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS)」は上記のテーマを掲げ、藍染という天然の染めを使い、伝統文化の持続と新たな可能性に挑戦するプロダクションを共にする。今ファッション業界が抱える在庫問題に取り組み、新たな価値を与える貴重なコラボレーションが実現した。ジェンダー問わず楽しめる、ロンT、Tシャツ、ソックス、デニム、シャツなど、数に限りはあるが、たっぷり楽しめるラインアップだ。
私たちは今後も、この旅を通して立ち上がった有機的ユニット「FRUITS」として活動を続ける。果物に優劣は無く、比べるものではない。それは、自然の恩恵から生まれた命の結晶だ。私たちは「地球」と言う惑星以外に住む場所を持たない。大切なことは、いかに地球環境を守り、継続し、次世代へ受け継ぐかだ。メイキットコープは、社会課題をアートとビジネスの視点からひも解き、プロジェクトを通して社会課題を可視化し、解決の糸口を見つけることを目指す。そこで、さまざまな才能を持った仲間を集め、多様な表現方法で形にしていこうと考えている。これを「FRUITS」と名付け、メイキットコープがカルチャーにビジネスとテクノロジーのエッセンスを加えて発表する。
藍染については、艶やかに一つ一つ伝統の技で染めた商品、ジェンダーを超えたストリートカルチャーを感じさせるファッションが一堂に並ぶ。会場にぜひ立ち寄って欲しい。
会期:3月2~8日 (5日17時~は、FRUITSメンバーが在店予定)
時間:11~20時(※最終日は18時まで)
会場:阪急メンズ東京 6F BASE6