紳士服最大手の青山商事は28日、オーダースーツ「麻布テーラー」などを運営するエススクエアード(大阪、清水貞行社長)の全株式を取得すると発表した。取得金額は非公表。青山商事はオーダースーツを成長分野の一つと捉え、拡大戦略をとる。
持ち株会社エススクエアードの傘下にメルボメンズウェアー、メルボ紳士服工業などがある。中でもメルボメンズウェアーが展開する「麻布テーラー」は高いブランド力で知られており、青山商事のスケールメリットと掛け合わせることでシェア拡大につながると判断した。エススクエアードの業績は非公開だが、「麻布テーラー」は全国で26店舗を運営している。メルボ紳士服工業は広島県と滋賀県に自社工場を持つ。
仕事着のカジュアル化がコロナによって加速し、ビジネススーツ市場は強烈な逆風下にある。青山商事は飲食業やシェアオフィスなどのスーツ以外の事業を強化する一方で、本業のスーツ事業では知名度のあるブランドを取得することで着実に基盤を固める。
エススクエアード、メルボメンズウェアー、メルボ紳士服工業の社長には、4月1日付で青山商事の岡野真二・取締役兼常務執行役員商品本部長が就任する。