狂ったように猫を溺愛する美容ライターが、猫と美容を強引に結びつける力技ビューティコラムVol.19。猫にちなんで、毎月2(ニャー)日と22(ニャーニャー)日の2(ニャー)回更新しています。今回のテーマは、猫のかわいさ、美しさを語るうえで欠かせない「瞳の色」。華やかに煌めく猫の瞳の秘密に迫りつつ、ハイトーンヘアと並んで大ブーム中のカラコンにフォーカス。魅惑のキャッツアイを手軽にモノにできる最新のカラコンもご紹介します。
カラコンは盛るものにあらず。むしろ“色素薄い感”を演出するアイテムに
Vol.17「みんな違って、みんないい。猫の毛に学ぶ、個性の磨き方」ではハイトーンヘアブームの話題に触れたが、カラコンの勢いも止まらない。ブームというより、もはやメイクアイテムのひとつとして市民権を得ていて、実にいろんなタイプの人々が思い思いに瞳の色を変え楽しんでいる。
コスメと同じようにカラコンも年々進化しているようで、アムラーやあゆが火付け役になったあのころのような圧強めの派手さは全くない(カラコン=ギャル=ど派手というイメージがあった)。むしろ今のカラコンは、アムラーど真ん中世代の私から見ると「それつける意味ある?」と思うぐらいとてもナチュラルなカラーが主流なのだが、虹彩部分のニュアンシーな色合いやグラデーションの美しさ、フチのデザインなど精巧さが格段にアップ。カラコンをつけてる感をさほど出さずに瞳の存在感を引き出すことができるので、つけているその人自身がとても魅力的に見える。昔のようにガッツリ盛るというよりは、メイクと組み合わせて透明感や色素薄い感を出すアイテムとして重宝されているようだ。
ジュエリー級のインパクト! 猫の瞳の秘密
瞳の色といえば、猫のかわいさの最重要ポイントでもある。「はかなげな色素薄い系女子に見える」ことや、「ハーフ顔になれる」ことがカラコン人気の理由といわれるが、猫狂いとしては「猫の顔になりたいからじゃないの?」と思ってしまう。それほどに、猫の瞳の色は心が洗われるほど美しく神秘的。光にかざした色とりどりのビー玉のように、ずっと眺めていたくなる。(実際にジーッと目を見るとケンカを売ってることと同意になり猫パンチをくらうので注意)。
人間も人種などによって虹彩の色が異なるように、猫もレンガのような赤褐色から、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルーと色のバリエーションが豊か。猫も人間も、虹彩の多彩な色はメラニン色素の量によって決まるそうで、メラニン色素の量が少ないほどグリーンや青色に見えるとか(ちなみに、生まれたばかりの子猫の目はメラニンが未形成のためすべてキトンブルーと呼ばれる青色をしている。この汚れを知らぬピュアな瞳の尊さったらない)。
メラニンの量が多いほどゴールド系の瞳になると言われ、黒猫、キジトラ、三毛猫、サビ猫などがそれにあたる。茶トラはキジトラよりもメラニン色素が薄いため、同じゴールドでもイエロー寄りになるとか。反対に、メラニン色素の少ない白猫は、ブルーになったりイエローになったりオッドアイになったりとバリエーションが多彩だ。シャムなど体の先端に色がつくポインテッド系の猫は、どんな毛色でも瞳はブルー。そして、ロシアンブルーやシャルトリューなどグレー1色の猫は、メラニンが多めだとカッパーに、少なめだとグリーンになるそうだ。
ビー玉のようにクリアで真ん丸。そこに美しい色彩と光が宿る猫の瞳は、ジュエリーと見まごうほどの美しさ。どんな顔にも美しくなじみ、瞳を魅力的に演出してくれる昨今の進化系カラコンなら憧れのキャッツアイも難なくモノにできそうだ。
なりたい猫で選ぶ!? 魅惑の瞳をモノにする最旬カラコン3選
というわけで今回は、瞳の色から猫のかわいさにあやかるべく、トレンドのカラコンにフォーカス。あまりに短絡的すぎる手段ではありますが、最近のカラコンはナチュラルにセンスよく盛れるので、いい感じにキャッツアイを楽しめるはず。キャットラインなどメイクと組み合わせていざ実践!
茶トラやキジトラ、黒猫、三毛猫など、「これぞ猫!」なゴールド系のキャッツアイになりたいならイエローやオレンジ系ブラウンのカラコンをチョイス。おすすめは、韓国の大人気D2Cファッションブランド「チューCHUU」がプロデュースするカラコンブランド「ハパクリスティン(HAPAKRISTIN)」の新色レッドブラウン。“彼女の瞳には秘密が隠されている”がコンセプトの“シークレティブクリスティン”シリーズは、月の光を宿した輝く瞳を演出してくれる1dayタイプ。月光ベージュ×くっきり細フチで美猫級の魅惑の瞳がかなう。
ヒマラヤンやラグドール、トンキニーズ、シャム、エジプシャンマウなどがもつ、見とれる瞳No.1のブルーやグリーンにTRYするなら、渡辺直美プロデュースのカラコンブランド「エヌズコレクション(N’s COLLECTION)」を。元々の瞳を活かしたまま、虹彩のカラーを変えてメイクを楽しむというコンセプトだからブルーでもなじみがGOOD。青みグリーンにイエローをミックスしたSABA TEISHOKUなら、涼やかなカラーで瞳を彩り、キトンブルーのような澄んだ透明感のあるブルーアイを楽しめる。
「私カラコンしてます!」という仕上がりは苦手だけど、ナチュラルに目力を盛りたい。そんなときにおすすめなのが、ヘア&メイクアップアーティストの中野明海さんがプロダクトアドバイザーをつとめる「オヴィ(OvE)」。撮影現場で用いるテクニックをヒントにした、瞳に光を取り込む「キャッチライトレンズ®︎」が特徴で、黒目を大きくしたり瞳に色をつけたりせずともキラキラと輝きを放ち、猫のように澄んだ瞳をかなえてくれる。猫の瞳の透明感や清らかさを表現するなら、白目も黒目もワントーンアップして、クリーンで清潔感あふれる瞳を演出できる「OvE5」を。
今リバイバル中のY2Kルックは1990年代後半〜2000年あたりのもので、まさに第1次(?)カラコンブームを巻き起こしたアムラー全盛期。アムラー世代の私がこれにそのまま乗っかると、当時の服を引っ張り出してきたおばさんになってしまいそうなので、猫級にかわいくなれる進化系カラコン+メイクでこっそり楽しむことにする。
参考
「ねこはすごい」山根明弘著(朝日新書)
「猫の毛色&模様 まるわかり100!」(学研ムック)
Pet Smile For ネコちゃん「猫の目の色は何種類? 目の色の決まり方と猫種別の目の特徴について」