主要百貨店5社の2022年2月度売り上げ速報は、おしなべて1ケタの増収にとどまった。感染者数の高止まりと、それに伴う全国規模での「まん延防止等重点措置」の適用で、消費マインドが減退。昨年10月の緊急事態宣言の解除以降、各社の業績は上向き傾向にあったが水を差された格好だ。
各社の前年同月と比較した売上高は、三越伊勢丹が9.0%増、高島屋が3.2%増、そごう・西武が2.2%増、大丸松坂屋百貨店が2.4%増、阪急阪神百貨店が1.0%増。ただしコロナウイルス影響が本格化する以前の20年同月実績との比較(発表社のみ)では、高島屋が4.8%減、大丸松坂屋百貨店が7.9%減と届かない。
1月まで比較的好調を維持していた衣料品は失速傾向にある。そごう・西武は同カテゴリーにおいて、前年同月比では5%増収も20年同月比では10%減。三越伊勢丹も「気温が上がらなかったこともあり、春物衣料の動きが鈍かった」。
高付加価値商品や、上位顧客向けの販売は引き続き好調。阪急阪神百貨店の阪急うめだ本店は、100万円以上の高額品の売上高が、20年同月との比較で4割程度伸長した。大丸松坂屋百貨店も大丸札幌店で記録的大雪の影響などを受けたものの、全店の傾向では「ラグジュアリーブランドや宝飾品が好調に推移した」。