ファッション

「J.W.アンダーソン」2016-17年秋冬ロンドン・メンズ・コレクション

REPORT

「J.W.アンダーソン(J.W.ANDERSON)」の2016-17年秋冬メンズは、ゲイ向けの出会い系アプリ「GRINDR」を通じてライブ配信された。「GRINDR」はGPS機能をもとにユーザーの身の回りのゲイを探し、お互いが意気投合すればチャットやデート、性行為などにつながるアプリケーション。会場でジョナサンは、「『GRINDR』は、インスタグラムと何ら変わることのない、コミュニケーションツールだ」と話したという。報道によれば、ライブ配信の視聴者は、延べ700万人。古今東西、あらゆるカルチャーを飲み込み、それらを先入観や偏見なしにリミックスするアンダーソンの才能を物語るエピソードだ。

そんな場を通じて発表したコレクションは、スピードが命のネット社会とは正反対の存在とも思える、歩みの鈍いカタツムリがキーモチーフ。もっともアンダーソンは、「カタツムリに理由はない」と話したというが、瞬時に配信したコレクションのモチーフが、のろまのカタツムリというのは、なんだかユーモラスだ。

スタイルは、けん引してきたノージェンダー、性差にとらわれないスタイルが、さらに個性を残しながらコマーシャルに進化したよう。ラビットファーで作るカーコート、シルクのようなビスコースで作るチェスター、オーバーサイズでボロボロのコーディガン、メタルボタンを一列に配したドレスシャツ、そして、男性の体躯を凛々しく描くふんわりしたモヘアのニット、そしてカタツムリのモチーフをのせたパンチングレザーのチェスターコート。素材がフェミニンならシルエットは正々堂々と、反対に強いマテリアルにはキュートなモチーフをのせて、と柔剛のバランスにたけている。

LOOK

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。