アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)「グッチ(GUCCI)」クリエイティブ・ディレクターは先日ミラノで開催した2022-23年秋冬コレクションの直前に、映画「ハウス・オブ・グッチ」を観た感想を明かした。
映画はレディー・ガガ(Lady Gaga)やアダム・ドライバー(Adam Driver)といった豪華キャストに加え、メロドラマチックなストーリーや華やかな衣装で大ヒット。批判も多く集めたものの、夫のマウリツィオ・グッチ(Maurizio Gucci)を暗殺したパトリツィア・レッジアーニ(Patrizia Reggiani)役のレディー・ガガは、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。
ミケーレは「私は『グッチ』のチームに30歳で加わり、もうすぐ50歳を迎えようとしている。グッチ一族と共に働いた人と多く会ってきたが、全員教養のある人だ。(一族は)それぞれアーティストでもあり、コレクターでもあった」と話す。映画では俳優のジャレッド・レト(Jared Leto)が創業者の孫息子、パオロ・グッチ(Paolo Gucci)を滑稽な役として演じたが、「実のパウロは美しく、本当にクリエイティブで品のある人だった」と反論。創業者の息子、ロドルフォ・グッチ(Rodolfo Gucci)も映画ではやや戯画的に描写されたが「一族は全員英語が堪能で、とても上品だった」と続けた。
ファッションデザイナーになる前はコスチュームデザイナーになる夢を抱いていたミケーレは、ハリウッドの世界をよく知っている。「映画ならではの視点やストーリーの作り方があるのは分かっている。そんな中でも、『グッチ』がいかにパワフルなブランドなのかがきちんと描かれていたのはよかった。一族の話を新たな切り口でストーリーを作り、業界トップの俳優陣を起用してファッション業界のみならず世界中をインスパイアした。こうしたことは、『グッチ』がファッションの枠を超えたポップカルチャーでもあることを証明している」。