オンワードホールデイングス(HD)子会社でダンス用品を販売するチャコットは、「チャコット(CHACOTT)」代官山本店を3月12日にオープンした。オンワードグループの商業施設「カシヤマ ダイカンヤマ(KASHIYAMA DAIKANYAMA)」を改装し、5層約2500平方メートルの広々とした空間に「チャコット」ブランドのアパレル、コスメのほかバレエスタジオ、カフェ、レストランを展開する。
2月に閉店した渋谷・公園通りの店舗に代わる新たな旗艦店と位置付け、物販だけではない体験型の厚みのあるコンテンツで、バレエを新たな文化やアートとして発信する拠点とする。「これまでプロのバレエダンサーに信頼を得てきた当社のアセット(経営資源)を活用し、(代官山本店を通じて)バレエを一部の競技者だけではなく、生活者に開かれたライフスタイルとして訴求していきたい」と馬場昭典チャコット社長は話す。
店舗のコンセプトを象徴するのが、スタジオ、カフェ、物販を展開する地下1階フロアだ。ガラス張りのフィットネススタジオ「バランス スタジオ」ではバレエの技術向上ではなく健康的で美しい体づくりを目的とし、ヨガやピラティスのレッスンを週に50クラス以上開催。その隣では、レオタード素材を使用したカップ付きインナー(1万3200円)やレギンス(1万4500円)など、バレエから着想を得たデイリーウエアライン“チャコット バランス”を販売する。鮮やかなカラーパレットと落ちにくさで、プロユースだけでなく一般女性からも支持を得るビューティブランド「チャコット・コスメティクス」も並べる。
月ごとのテーマで、店内のVMDやコンテンツも変化する。5階フォトシューティングブースではバレエ衣装を着用し、舞台メイクアーティストによるフルメイクアップで記念撮影ができる(3万8500円〜)。衣裳のテーマは3月は“眠れる森の美女”、4月は“白鳥の湖”。各階にはバレエとゆかりのあるアート作品を展示するほか、カフェでもバレエ演目を意識したデザートをメニューに盛り込む。バレエに触れたことのない消費者への間口となる要素を散りばめている。
一方、本格志向のニーズにも応え、物販では「チャコット」ブランドのフルラインアップ(新体操など一部商品を除く)を置く。2〜3階はレッスンウエアからステージ衣裳まで幅広くそろい、壁面の棚には子供から大人用まであらゆるサイズのトゥシューズ、バレエシューズがずらりと並ぶ。常駐するフィッターが一人一人にあった靴選びをサポートする。1階にはバレエ専用のスタジオがあり、足に優しく踊りやすい床、シャワールームやパウダールームなど設備も充実する。