ファッション

東コレ 3度目の「コンダクター」が演劇場でショーと舞台芸術の融合 人間の二面性を表現

 長嶺信太郎デザイナーが手掛けるメンズブランド「コンダクター(EL CONDUCTORH)」は15日、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」で2022-23年秋冬コレクションのファッションショーを行った。同ブランドは21-22年秋冬シーズンから東コレに参加しており、今回で3回目。会場は、品川の演劇場「クラブイーエックス(Club eX)」だ。長嶺デザイナーは「1回目は(ホテルの地下駐車場で)オーセンティックなショーを行い、2回目は短編映画を作り渋谷の映画館で上映した。今回はランウエイショーだけど、舞台芸術の要素を取り入れた新しい表現に挑戦したかった」と会場選びの意図を説明した。

“愛情と憎悪”に着想
不穏な演出で増幅する世界観

 コレクションテーマは“愛情と憎悪”。「強すぎる愛情の裏返しや、一つのきっかけで愛が憎しみに変わる瞬間の二面性」を表現した。バロック柄のシャツは一見するとエレガントだが、よく見ると般若の顔や有刺鉄線などのモチーフが散りばめられ、毒々しさがある。定番のラメツイードのセットアップは、ベルトとファスナーを付けてボンテージにしたほか、左右を黒の無地とトラ柄で大胆に切り替えたフェイクファーのコートや、“LOVE”を逆さにしたレタードTシャツなど、二面性をストレートに伝えるアイテムもあった。

 舞台の上空には、草花で作った大きなプロップと赤い風船を複数用意した。ショーが進むと、それぞれの風船が大きな音を立てて破裂し、中から赤い紙吹雪が散ってステージを覆っていく。この演出は、長嶺デザイナーのある思いを表現したものだ。「毎シーズン、つらかったり悲しかったり、心に痛みを抱える人に向けて洋服を作っている。僕自身も孤独な時代があったが、洋服に夢中になることで救われた。(ショーを通して)そんな人の支えになれたら」。

 今シーズンは、シャツワンピースやチェックスカートなどウィメンズアイテム4型も登場した。“PASSION”(=情熱)“DESIRE”(=欲望)と描かれた「コンバース(CONVERSE)」の“オールスター(ALL STAR)”も披露した。

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