高島屋は16日、新宿店9階にゴルフ用品売り場「有賀園ゴルフ ザ クラブ」を開いた。手薄だったゴルフクラブなどの用品を専門店の導入で強化する。4月20日に増床オープンを控えるゴルフウエア売り場と合わせて、ゴルフ売り場の面積は3倍超の1000平方メートルになり、関東の百貨店で最大級になる。コロナ下でも好調なゴルフ市場で存在感を高め、百貨店として「規模も売上高も日本一を目指したい」(難波斉・執行役員新宿店長)考えだ。
ゴルフ用品(300平方メートル)とゴルフウエア(700平方メートル)を合わせたエリアの新名称を「ゴルフ・メゾン」としてアピールする。増加する30代の新規参加者や女性客を呼び込むともに、外商などの上顧客の満足度を高める。
「有賀園ゴルフ ザ クラブ」は約2500本のクラブをそろえ、専門知識を持ったスタッフが接客する。クラブのカスタムメイドや修理も受け付ける。弾道測定などのシミュレーションゴルフが体験できる試打室を2カ所設けるほか、実際にパターを試せるスペースも40平方メートルと広くとった。体験型の売り場として、長く滞在できるようにする。
4月20日に増床するゴルフウエア売り場は、取り扱いブランド数を2倍の15ブランドに増やす。「ムータ・マリン・ゴルフ(MUTA MARINE GOLF)」「SY32 バイ スウィートイヤーズ(SY32 BY SWEET YEARS)」「ダンスウィズドラゴン(DANCE WITH DRAGON)」「デサントゴルフ(DESCENTE GOLF)」などが加わる。主に若い世代を狙ったブランドを強化する。
コロナ下で消費が低迷する中、ゴルフは密にならないレジャーとして、キャンプとともに新規参加者が増えている。旅行を自粛する代わりに、ゴルフの頻度を増やす人も少なくない。若い世代の参加に伴い、アパレル市場では新規ブランドが相次いで登場している。
なかでも新宿エリアのゴルフ商戦は特に激しい。引き金は百貨店として都内最大の規模を誇った小田急百貨店のゴルフ売り場(別館の小田急ハルク)だ。同店は9月末に控える本館の営業終了に先立ち、今月から売り場面積の大幅な縮小を余儀なくされている。同店の持つ優良顧客や若い世代の受け皿を狙った動きが、新宿エリアで活発になっているのだ。
高島屋新宿店に続いて、23日には伊勢丹新宿本店は従来のスポーツ売り場をゴルフのセレクトショップ「ダブルイーグル パワードバイ イセタンゴルフ」に改装する。大手スポーツ専門店のゼビオが運営する「ダブルイーグル」と伊勢丹との協業で、ファッションに関心の高い層から本格派のゴルファーにも対応する。4月1日には大手スポーツ専門店のアルペンが、東口のヤマダ電機跡地に1万2300平方メートルの大型旗艦店「アルペン・トーキョー」をオープンする。この中にはアスレチックスポーツやアウトドア業態とともに、同社のゴルフ業態「ゴルフファイブ」の大型店が入る。