馬渡圭太デザイナーが手掛ける「リトルビッグ(LITTLEBIG)」は16日、2022-23年秋冬コレクションのショーを行った。同ブランドは昨シーズン、ブランド設立10年の節目に初のショーを開催。馬渡デザイナーは「ずっとアングラでやってきたから、たくさんのバイヤーに見てもらうきっかけになった。今回もショーを通して、より多くの人にブランドを知ってもらえたら」と話す。
上京当時の渋谷に着想
「とにかく楽しいショーにしたい」
会場は、渋谷スクランブル交差点を見下ろす多目的ビル「キューフロント(QFRONT)」の屋上。スクランブル交差点は、馬渡デザイナーにとって思い入れがある場所だ。「20年前に青森から上京し、“東京っぽさ”を一番感じたのがスクランブル交差点だった。今回はとにかく楽しいショーにしたくて、混沌とした当時の渋谷の空気を再現したかった」。
ウエアも“2000年代初頭の渋谷の不良”に着想した。定番のパワーショルダーのジャケットは、胸ポケットにエンブレムを施し、レジメンタルのタイやチェックスカート、肩がけしたスクールバッグ、色落ちしたデニムパンツなどを合わせ、学生服を着崩すスクールガールとヤンキーのスタイルを表現した。ほかにも、ダボっとしたジャージーのセットアップやパーカ、胸元が大きく開いたポロシャツ、赤と紫をベースとするカラーパレットも“不良”の世界観を色濃くする。ブランドアイデンティティーのテーラードは、全てオリジナル素材で製作。中盤に連打したスクールストライプの生地は、1837年創業のイギリスの生地メーカー、ムーン(MOON)に製作を依頼した。
ランウエイにはプロモデルのほか、馬渡デザイナーが原宿と渋谷でハントした一般人も登場し、“渋谷のリアル”を表現した。