ファッション

仮想伊勢丹新宿店で小学生によるバーチャルファッションショー 未来のコミュニケーションとしてのアバターを発表

 三越伊勢丹が運営するVR活用のスマートフォン向けアプリ「レヴ ワールズ(REV WORLDS)」は22日から、東京都三鷹市立第三小学校と協業し、同校児童のファッションデザインによるランウエイショーをアプリ内で開催中だ。ショーは4月中旬まで毎日3回(12、17、21時)に行う。

 5年生(106人)が18チームに分かれ、デザインを考案。2月10日の審査会で上位となった3チームの作品などが3D化され、アバターが着て、バーチャル伊勢丹新宿店前の特設ランウエイを歩く。

 「小学生が考える未来のファッションを実現したい。まずはロスがないバーチャルファッションで展開したいと考えた」と三越伊勢丹仲田朝彦デジタル事業運営部仮想都市プラットフォーム担当。自身が登壇したセミナーを東京都三鷹市立第三小学校の山下徹主任教諭が聴講していたことがきっかけで出会い、今回の協業につながった。

 まず、仲田さんが「未来のコミュニケーションを考える」という題の講義を児童たちに行い、児童たちは感じたことをコンセプトアート化。それをファッションデザインに落とし込み、プレゼンテーション大会を行って、選ばれた9作品がアバター化された。

 “コミュニケーション”がスタート地点にあったため、 “伝えたいこと”がそれぞれのアバターで表現されていて面白い。“自然の未来と、人との関わり”をテーマにした作品は水滴が体を包んでいたり、コロナ禍での医療関係者への感謝と医療が受けられない国への思いを上半身と下半身の服のコントラストで表現したりと、子どもらしい自由な発想が、アバター全身に反映されている。

 参加した小学生は「服のデザインやプレゼンなど、チームみんなの意見を全て尊重しながらまとめていくことが難しかった」とコメント。山下教諭は「子ども達にとって、VRはゲームでは馴染み深いが、それ以外ではあまり触れる機会がない。今回はリアルな百貨店と百貨店が作るバーチャル空間、両方を見られるので、理解しやすいと思った。ファッションデザインをCGに落とし込み、バーチャルショーを行うことは、学校のリソースではできないことなので、素晴らしい経験になったと思う」と語った。

 「ファッションショー企画は継続していきたい」と仲田さん。「アバターとなった自分の服を褒められて、そこからファッションの価値を知る人もいるだろう。そんなきっかけを作っていきたい」。

 原画などをまとめたものを、バーチャル伊勢丹の屋上に展示。4月20日からは今回の9体の作品のデータも無料配布し、誰でも着せ替えを楽しめるようにする。

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