皮革服飾雑貨のOEMやODM事業を手掛けるヒーローインターナショナル(HERO INTERNATIONAL)は4月1日、同社初のD2Cレザーブランド「デシ(DECi)」をローンチする。
「デシ」のブランドパーパスは、「江戸に残る伝統技術と職人を守り、持続可能な社会を目指す」。東京・浅草橋は、150年以上の歴史を持つレザー産業の街だ。そこで働く職人により、ひとつずつ手作業で製作されるプロダクトは、ファクトリーブランドならではの高い技術と品質、手に取りやすい価格設定が特徴だ。主にイタリア・サンタクローチェ地方の小規模なタンナーの革を使用し、従来は廃棄されていた端材まで活用するなど、製造工程で極力無駄をなくす、サステナブルな取り組みも行われている。
第1弾は、レザーの経年変化や透明感を楽しめる、フルベジタブルタンニングのライフスタイル雑貨10型をラインアップ。伝統技術に遊び心のあるデザインを融合したキーリングやポーチ、財布、コインケース、PCケース、ワインホルダー、スリーブなどを公式オンラインストアで発売する。価格帯は2000~2万5000円。新作は毎週リリース予定だ。
浅草橋は、日本有数の「皮革産業の町」として、高い技術を持った職人たちがいることで知られている。しかし近年は、多くの工房が、高齢化による後継者問題や、海外生産との価格競争、そこに追い打ちをかけるコロナ禍での廃業の危機など、町も職人も厳しい状況に置かれていることが、ブランド立ち上げの後押しとなった。ブランド名は、皮の面積の単位を表す“deci”に由来。「レザーをより身近なモノとして生活に取り入れてほしい」という思いが込められている。
ローンチに合わせて、オリジナルムービーも製作。レザー職人とそれを受け継ぐ弟子、双方の視点から、浅草橋の日常が映し出されている。