伊勢丹新宿本店は3月23日、ユーズドストックの「リーバイス(LEVI’S)」501を60以上のブランドがアップサイクルした200以上のアイテムを販売するイベント「デニム de ミライ」をスタートした。4月5日まで。「デニム de ミライ」には、競合他社の阪急阪神百貨店(阪急うめだ本店)のほか、岩田屋三越(岩田屋本店)、エスティーカンパニー(群馬)、ファッションコアミッドウエスト(愛知や東京、名古屋)、佐藤繊維(山形)の百貨店やセレクトショップも参画。ヤマサワプレスが集めて検品、洗い、修理した20tの「リーバイス」501のうち、約半分をアップサイクルして蘇らせた上述商品を同じ期間中に販売する(販売するアイテムは店舗によって異なる)。
伊勢丹新宿本店では、本館・メンズ館合わせて11の拠点で商品を展示・販売する。1階のザ・ステージは1週間の期間限定で、それぞれのアイテムの素材となった「リーバイス」の501を展示。壁面には、三越伊勢丹が使わなくなった制服から生まれた循環素材の「パネコ(PANECO)」を用いた。壁面の一部はサイドテーブル(3万5200円)のパーツをはめ込んだ状態で、購入者は壁面の一部を切り出し、組み立て家具のパーツとして持ち帰る仕組み。それでも残る壁面は、分解して再度「パネコ」として用いたり、ハンガーなどに変えたりすることでゴミを極力出さないよう努力する。
6つの小売店、60以上のブランド、伊勢丹新宿本店の中でも多くの担当者が動いた「デニム de ミライ」の中核を担った神谷将太リ・スタイルバイヤーは、「2020年9月に大量の『リーバイス』501を見たとき、競合を含め、『みんなでメッセージを届けたい』という衝動に突き動かされた。いろんなブランドや小売店にも、ヤマサワプレスに足を運んでいただいた。改めて百貨店の強みは、さまざまなブランド、メーカー、工場、小売店、そしてお客さまと繋がっていることだと感じた。店内でも、多くのバイヤーがさまざまな仕掛けに取り組んでいる。日本に、業界全体のメッセージを届けたい」と語った。またヤマサワプレスの山澤亮治代表は、「このアクションを通じて、多くの方、そして仕事に巡り会えた。ワークからファッションまで、全てに精通している『リーバイス』501の魅力を再認識した。今後も多くの人が501の魅力を体感できるよう頑張りたい」と話した。
本館1階のザ・ステージでは、約40ブランドの商品を取り揃えた。「セルジオ ロッシ(SRGIO ROSSI)」や「ペリーコ(PELLICO)」「ゴールデン グース デラックス(GOLDEN GOOSE DELUXE BRAND)」との橋渡し役を担った担当者は、「素晴らしい企画に各ブランドと取り組むことができた。続々とサンプルが届き、『リ・スタイル』チームと喜んだ記憶が残っている。各ブランドのクリエイションの高さに驚いた。皆さんにお披露目できて嬉しい」とコメント。「アルフレックス(ARFLEX)」と「N.ハリウッド(N. HOOLYWOOD)」とのコラボレーションクッションなどを仕掛けた担当者は、「インテリアや家具は代々使うものでありながら、サステナブルの価値観を伝えきれていなかった。今回のイベントを契機に、インテリアフロアでも意識したい」と話した。
また1階の別エリアでは、ヤマサワプレスのプライベートブランド「ワンオーファイブ・デニムトウキョウ(ONE-O-FIVE DENIM TOKYO)」のオーダーイベントを開催。ここでは、「リーバイス」によるスペシャルディスプレイも行う。「リ・スタイル」のある本館3階では、「ミナ ペルホネン(MINA PERHONEN)」のクッションやトートバッグのほか、アートなどを販売。ディズニーのサステナブル・プロジェクト「ディズニー ヘルシー・テイメント」と連携したミッキーマウスなどのTシャツやトートバッグ、チャームも販売する。同フロアでは文化服装学院の学生による「マスターイノベーション」がユーズドストックのデニムを用いた卒業制作を展示している。