座右の銘は「泣かぬなら 笑わせてみせよう ホトトギス」。ZOZOTOWN立ち上げメンバーで、「ファッションチアリーダー」に就任した武藤貴宣氏が、ファッションへの愛と明るい未来について、ゆるく語ります。
(前回から続く)
振り返ってみると、絶体絶命のピンチ!というほどのものはありませんでしたが、2018年の“ZOZOARIGATO”の時はやっぱり大変でした。
前澤(友作)さんはずっとアマゾンに対する強い危機感を持っていました。アマゾンは資本力も物流のシステムも圧倒的にすごいので、そことの差別化をどうしていくべきかを常に考えていました。最初はZOZOTOWNだけで販売していたブランドも少しずつ楽天やアマゾンでも販売するようになっていったし、アマゾンもお金をかけてファッションに力を入れ始めていました。
ユーザーもブランドも一度アマゾンに行ってしまったら、皆ZOZOTOWNから離れていってしまうのではないかと前澤さんは恐れていました。そうならないためにはZOZOTOWNにしかないものを売るしかないけれど、それは難しい。だったら価格の原資をうちで負担して安くすることでユーザーを増やそうと。他社も最終的にそういったことをしてくるだろうから、早めにそこを仕掛けて、圧倒的なパイを取ってしまおうというので、年間3000円または月間500円を払うと商品が10%オフで購入できる会員制サービス“ZOZOARIGATO”を2018年12月にスタートしました。
前澤さんの考えも戦略も僕は理解できました。ただ、ハレーションはすごく起きるだろうなと思っていました。そして想像どおりのハレーションでした。
想像どおりだったので、僕としては淡々と仕事をするだけでしたが、その当時、前澤さん自身のプライベートが世間で話題になっていましたし、メディアが「ZOZO離れ」と騒いだり、週刊誌にあおられたりと、いわゆる“外野”の動きが想定外で、株価にも影響が出ました。
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