京王電鉄は、下北沢駅高架下に新たな商業施設「ミカン下北」を3月30日に開業する。飲食店舗を中心とした商業エリアのほか、コワーキングスペース、世田谷区が運営する図書館カウンターを設け、地域の人々に開かれた空間作りを目指す。28日には、オープニングセレモニーを開催した。
同施設は、世田谷区のアクセス道路を挟むA〜Eの5街区で構成する。A・B街区は5階建て、それ以外は2階建て。A・D・E街区の商業エリアには、下北沢初出店となるラウンジ併設の「TSUTAYA BOOK STORE」のほか、飲食店など19店が出店予定。回遊性を重視し、共有の入り口は設けず、イベントやマルシェを開催できるスペースも確保した。B街区は2022年夏に開業予定。
A街区の4〜5階、B街区の3〜5階には、同エリア最大級のワークプレイス「サイクル バイ 京王(SYCL by KEIO)」が入居し、ベンチャー企業やスタートアップ企業を誘致する。入居者は昨年12月15日から公式ウェブサイトで募集。街のコミュニティー拠点としての機能を持たせ、入居メンバーと地域の人々をつなげる仕掛けに力を入れる。
施設名には、多様な人々が交流し、常に変化を続ける“未完成なシモキタ”の魅力を最大化したいという思いを込めた。京王電鉄の南佳孝取締役常務執行役員は、「飲食や物販などの“遊び”の要素に加えて、これまで同エリアになかった働く視点を意識的に取り入れた。働く人々が、街の未完成な部分を発展させるプレーヤーになることを期待したい」と話した。