ファッション

2022年「LVMHプライズ」の最終選考に「リュウノスケオカザキ」 8組のファイナリストを紹介

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、2022年の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」のファイナリスト8組を発表した。日本からは「リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKEOKAZAKI)」の岡﨑龍之祐デザイナーが選出された。そのほかアメリカから「アシュリン(ASHLYN)」を手掛けるアシュリン・パーク(Ashlynn Park)、「ERL」のイーライ・ルッセル・リネッツ(Eli Russell Linnetz)、「ウィニー ニューヨーク(WINNIE NEW YORK)」のイドリス・バロガン(Idris Balogun)、ロンドンからは「KNWLS」を手掛けるシャーロット・ノウルズ(Charlotte Knowles)とアレクサンドル・アルスノー(Alexandre Arsenault)、「エス・エス・デイリー(S.S.DALEY)」のスティーブン・ストーキー・デイリー(Steven Stokey-Daley)、アイルランドから「ロイジン ピアス(ROISON PIERCE)」のロイジン・ピアス(Roisin Pierce)、ナイジェリアから「トウキョウ ジェームズ(TOKYO JAMES)」のイニエ・トウキョウ・ジェームズ(Iniye Tokyo James)が選らばれた。
 
 グランプリの勝者は30万ユーロ(約4020万円)とLVMHグループのエキスパートによる1年にわたる指導を獲得する。また「カール・ラガーフェルド賞」は賞金15万ユーロ(約2010万円)と1年間の指導を提供する。22年にファッション学校を卒業する学生からも3人を選出し、賞金1万ユーロ(約134万円)とLVMH傘下メゾンで1年学ぶ機会を与える。

 ここでは、8組のファイナリストを紹介する。

「リュウノスケオカザキ」

 昨年9月に開催された東京コレクションで華々しいデビューを果たした岡﨑龍之祐は、人と自然、平和をテーマにしたコレクションを制作。昨年東京藝術大学を卒業し、アートの視点で立体的な洋服を手掛ける。リアルクローズとは一線を画す芸術的なクリエイションで、デビューシーズンから注目を集めてきた。

「アシュリン」

 韓国生まれのアシュリン・パーク(Ashlynn Park)は「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」や「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」、ラフ・シモンズ(Raf Simons)時代の「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」などでパターンとデザインを学び、19年に自身のブランドをスタート。コンセプチュアルでありながら実用的なデザインを特徴とする。ボタンダウンのシャツからレッドカーペット用のガウンまで、廃棄物ゼロを目指しながら、繊細で彫刻的なピースを手掛ける。

「ERL」

 デザイナーのイーライ・ルッセル・リネッツはファッションデザインだけでなく、ミュージックビデオの監督やコンサートステージの演出、エディトリアルや広告の撮影なども手掛け、その才能は多岐に渡る。米カリフォルニア・ベニスビーチを拠点にする「ERL」はビンテージアメリカンファッションを再解釈し、メンズ・ウィメンズ・キッズを展開。エイサップ・ロッキー(A$AP ROCKY)の昨年のメットガラの衣装を手掛けたり、グライムス(Grimes)やカニエ・ウエスト(Kanye West)との親交も深かったり、音楽界のアーティストからも支持されている。

「KNWLS」

 シャーロット・ノウルズとアレクサンドル・アルスノーは17年にセント・マーチン美術大学を卒業後、ブランド「シャーロット ノウルズ」をスタート。ランジェリーと90年代にインスパイアされたアイテムはハディッド(Hadid)姉妹やカーダシアン(Kardashian)一家といったイットガールらから気に入られ、SNSで話題を集めた。昨年にブランドを「KNWLS」としてリブランディング。シグネチャーのコルセットトップスやボディコンシャスなレギンスに加え、最近はジュエリーやアイウエアもローンチした。

「ロイジン ピアス」

 アイルランド出身のロイジン・ピアスは19年のイエール国際フェスティバル(Hyeres International Festival)で「シャネル(CHANEL)」が協賛するメティエダール賞(Metiers d’Arts Prize)を受賞しただけでなく、一般人による投票でも人気を博した。ダブリンのアート&デザイン国立大学でテキスタイルデザインを学び、現地の職人からインスパイアされながら廃棄物ゼロのアイテムを手掛ける。作品の色は全てホワイトで、アイルランドの女性の歴史にオマージュを捧げる。

「エス・エス・デイリー」

 労働階級と自称するスティーブン・ストーキー・デイリーは、イギリスの階級社会をクィアな視点で解釈。ワイドパンツやアーガイルニットのウールベストといったシグネチャーアイテムは、文学界の名作とその映画からインスパイアされている。

「トウキョウ ジェームズ」

 元々スタイリスト兼エディターのイニエ・トウキョウ・ジェームズは自身のブランドを15年にローンチ。ナイジェリア系イギリス人のイニエはアフリカンファッションのステレオタイプを覆すべく、エッジィーなテーラリングやロンドンらしい反骨心をデザインに落とし込む。

「ウィニー ニューヨーク」

 ナイジェリア生まれ、ロンドン育ちのイドリス・バロガンはロンドンのサヴィルロウでキャリアをスタート。ファッション工科大学を卒業後、「バーバリー(BURBERRY)や「トム フォード(TOM FORD)」で経験を積み、18年にニューヨークで自身のブランドを立ち上げた。デッドストックやアップサイクルした生地を用いサヴィルロウのテーラリングをカジュアルに仕上げたスタイルを特徴とする。

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