キャップを生かした着こなしを街で見かける機会が増えてきました。ポジティブでアクティブな装いを求める2022年春夏の気分にぴったりのアイテムです。キャップならではのスポーティーな雰囲気は、着回しのバリエーションも大きく広げてくれます。
スーツやデニムパンツといった印象の強いアイテムにも、キャップは若々しく元気なイメージを添えてくれます。視線が集まる顔周りのポジションなので、装いのムードを左右する“切り札”的存在に。色次第で華やかにもクールにも演出できます。写真のように、ジェンダーレスな装いにも役立つスグレモノ。今回は、多彩な着こなしに生かせるキャップのスタイリング術を、おしゃれスナップを通してご紹介します。
パンツスーツの崩しコーデの強い味方
パンツスーツは隙がないキリッとした印象にまとまる点が強みですが、時にキマりすぎることも。とりわけ、ラフに普段使いしたいときに悩ましい。そんなときは、キャップをかぶるだけで絶妙の“はずし”がかないます。
クールに仕上がる黒のパンツスーツも、キャップを加えるとムードが様変わりします。1枚目の写真は、「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」のロゴ入りキャップを合わせて、くだけた雰囲気にシフトしました。淡いピンク色のシャツでフェミニンさをプラスしつつ、メンズライクのショッパー風ビッグバッグでコントラストも引き出しています。
パンツスーツをお手軽にカジュアルダウンする方法のひとつに、トップスをシャツからTシャツへスイッチする手があります。ベースボールキャップを添えれば、スポーティーさも加わり、さらに日常使いしやすくなります。
2枚目の写真は、ベージュのパンツスーツでクリーンな印象にまとめながら、カラートーンが近いニューヨーク・ヤンキースのロゴ入りベースボールキャップをかぶって、アクティブな雰囲気を投入。スーツ特有の“お仕事ムード”を薄めることに成功しました。マスクとTシャツを白でそろえて、全体をツートーンにまとめたことで、きれいめに整っています。
単調になりがちなデニムパンツは色で遊ぶ
カジュアルなイメージのデニムパンツを華やかに格上げするコーディネートで頼りになるのが、きれい色のキャップです。明るいトーンで迎えれば、ポジティブで元気な装いに仕上がります。
ありふれデニムパンツも、色や柄の多彩なバリエーションを生かせば退屈に見えません。1枚目は、ピンクの「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のキャップがアイキャッチー。チェッカーフラッグ風のジャケットと、グリーンのポンポンバッグが装いを弾ませました。赤ブーツでマルチカラーコーデを総仕上げ。淡いブルーのトップスがブルーデニムとなじんで、全体をバランスよくまとめています。
色数を抑えたデニムルックでは、目立つポジションのキャップが果たす役割が大きくなります。装いのムードメーカーを任せるつもりで、ビビッドカラーを選ぶのが今季のおすすめです。
2枚目の写真は、ルックの大半を黒のコートで覆ったクールな装いです。そこに鮮やかなグリーンのキャップを差し色でプラスワン。勢いが続くトレンドカラーのグリーンは扱いが難しいところがありますが、帽子や小物だと服より取り入れやすいです。インディゴブルーとも好相性なので、デニムルックのアクセントにも使えます。
3点セットのカラーブロックでチアフルに
スタイリングをプレイフルに彩ってくれる“カラーブロック”を楽しみたいときに、カラフルなキャップを生かせば、手間いらずです。イエローやピンクといったビタミンカラーや暖色系を選ぶと、チアフルなムードを呼び込めます。
フレッシュさを意識したい春夏には、グリーンやイエローなどの自然界に由来する色が効果的です。1枚目の写真は、キャップにイエロー、ジャケットにグリーンを配したカラーブロックで気分も上々。デコルテにはマルチカラーのネックレスを迎え、彩り感をアップしました。
薄着に向かうシーズンはサッパリしたスタイリングになりがちなので、カラーブロックを取り入れれば単調な印象を避けられます。“帽子・トップス・ボトムス”の3点セットを意識した配色が有効です。
2枚目の写真は、3点セットのお手本的なカラーブロック。イエローのキャップとグリーンのパンツが爽やかなイメージを引き寄せました。白Tシャツをはさむことで全体をクリーンな雰囲気にまとめた、春夏にぴったりなカラーブロックです。
キャップを活用したコーデはとにかく手軽なうえに、バリエーションが多彩。マンネリになりがちなスーツやデニムパンツの着回しに役立つので、試しがいがあります。ヘルシーでポジティブな着こなしが盛り上がりそうなこの春夏だからこそ、キャップを仲間に加えてトレンドをつかまえてみましょう。