コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)とケリング(KERING)、パンドラ(PANDORA)の3社は、「責任ある宝飾品業のための協議会(Responsible Jewelry Council以下、RJC)」がロシア企業との関わりを断たないことを不服として同協議会からの脱退を発表した。
「カルティエ(CARTIER)」や「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」などを擁するリシュモンは、「戦争や金融摩擦に寄与する企業が含まれる団体に所属することを望まない」とコメント。「グッチ(GUCCI)」や「ブシュロン(BOUCHERON)」などを擁するケリングも、「現在の欧州情勢に対するRJCの対応は、当社の価値観と一致しない」と表明した。なお、ケリングとリシュモン傘下の「カルティエ」はRJCと協力してサステナブルな未来のために手を取り合い、より良い行動を開始することを目的とした「ウォッチ&ジュエリー イニシアティブ 2030」を2021年10月に立ち上げている。
パンドラはRJCにロシア企業の会員資格および「責任あるビジネスの認定」を停止し、所属会員にロシアとのビジネスを停止するよう求めたが、RJCがこれに応じなかったため、12年間加入していたRJCからの脱退を決めたという。パンドラは2月24日にロシアおよびベラルーシとの取引を全面的に停止。すべてのサプライヤーとビジネスパートナーに対して、パンドラに供給する原材料、製品、サービスは直接的にも間接的にもロシアやベラルーシが関与しないことを指示したという。
約1500の会員を有するRJCは、ロシアとウクライナ間の紛争とこれに伴う人道的危機に「深いショックと懸念を受けた」とコメント。どのような措置を取るべきかを検討するために独立した第三者機関による法的調査を開始したと発表した。「このプロセスのペースに不満があることは理解しているが、これは前例のない状況であり、また常に状況が変化しているため、可能な限り徹底的に調査が行われるように時間をかける必要がある。しかし、結論は間もなく出るだろう」とコメントしている。