ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、宇宙で使う化粧品にまつわるイノベーションの話。(この記事はWWDジャパン2022年4月4日号からの抜粋です)
【賢者が選んだ注目ニュース】
宇宙技術を用いた宇宙飛行士携帯仕様コスメ「フェイスピース」
「オメガ」×「スウォッチ」の初コラボ 価格は3万3550円
「ちょっと宇宙旅行へ行ってくる」。地上から400km離れたISS(国際宇宙ステーション)に一般人が滞在できるようになるのも、そう遠いことではなさそうだ(国際情勢による遅れは否めなくなるかもしれないが)。そこでいかに快適な生活が送れるのか。JAXA THINK SPACE LIFEで活動する一般社団法人宇宙美容機構(SCO)などが中心になり、衣食住カテゴリーの中の美容という観点での課題解決のために企業がさまざまなプロジェクトに参加しようとしている。
宇宙旅行の間、そして月面での生活は、ある意味、「極限的な状況」だ。水が貴重なため、お風呂やシャワーは使えない。洗顔や洗髪、歯磨きなどは超節水で行う。ゴミ収集はもちろんないので、尿ですらろ過して再利用するという可能な限りのリサイクル、リユースの仕組みが必要になってくる。生命維持に必要な機器に影響を及ぼしてしまうパウダー(無重力状態では飛散してしまうため)や、揮発水溶性成分のエタノールなどの使用には厳しい制限がある。
また、月面のように1/6の重力もしくは無重力状態を経験することにもなり、この状態は肌や身体に老化プロセスを与えることになるだろう。
一方で想像するに、宇宙空間の景色を楽しみ、地球を俯瞰して眺める価値や経験は得がたいものだろう。地政学的危機が懸念されるいま、宇宙の中での地球の在り方といったさらに俯瞰的なものの見方ができそうで、その価値の大きさは理解できる。
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