ファッション

ユニクロは8カ月連続の前年割れ 専門店3月度、まん防明けても低気温で苦戦の声

 専門店チェーン、セレクトショップの2022年3月度売上高(既存店ベース)は、「まん延防止等重点措置」が明けたことによる効果は一部で見られたものの、月下旬の低気温などで「春物の動きが鈍かった」という声も聞こえる。

 好調が続くしまむらの「ファッションセンターしまむら」は、売上高の前年同期比(同社は2月21日〜3月20日での比較)が2.9%増。前年3月が同24.6%増と大幅に伸ばしていたところからさらに伸ばした。22年2月期の通期でも既存店売上高は同7.1%増。「トレンド性のある商品の拡充による客数増加や、コーディネート提案強化での買い上げ点数増加が寄与した」と、4日に行われた22年2月期決算会見で鈴木誠社長は話した。

 アダストリアは前年同月比8.5%増。客数が同2.2%増、客単価が同6.1%増と伸長した。コロナ禍前の19年3月の数値にも近づいてきている。「自社EC『ドットエスティ(.ST)』のテレビCM放映などが奏功した」という。

 ユナイテッドアローズの小売とECの売上高は同10.7%増。客単価が同12.5%増となって全体を押し上げたが、19年3月と比べるとまだ2ケタの落ち込み。「ビジネス、フォーマル衣料に加え、春アウターやスニーカーなどが好調」と発表している。

 一方、苦戦が目立つのがユニクロだ。国内店舗とECの売上高は同10.7%減。これで8カ月連続の前年実績割れとなった。前年3月は復活2シーズン目の「+J」の発売月だったこともあり、前々年同月比40.2%増と大きく伸ばしていたことの反動もある。「気温が低かったことに加え、話題性のある商品に欠けていた」(広報担当者)ことが引き続きの苦戦要因と見る。「セオリー(THEORY)」とのグループ内コラボも企画するなど、メンズだけでなくウィメンズでも打ち出しを強めている“感動ジャケット”“感動パンツ”などは「売れている」という。

 良品計画の「無印良品」の直営店とECの売上高は同10.0%減。衣服雑貨は同19.3%減、生活雑貨は同5.0%減、食品は同9.8%減という内訳だった。「衣服雑貨は月の下旬にかけて寒暖差が激しく、主力のカットソートップスやシャツが伸び悩んだ。生活雑貨は10%オフキャンペーンを行ったが、売り上げが伸びなかった」とコメントしている。

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