ビューティ

ノインがグリーンコスメの専用ページを開設 「2年後に全体の売り上げの50%を目指す」

 化粧品ECプラットフォームのノイン(NOIN)はこのほど、地球や社会に優しい化粧品ブランドを集めた「グリーンコスメ(greencosme)」ページをローンチした。また、3月下旬には渋谷ヒカリエでリアルイベントを開催し、ユーザーが各社の取り組みや製品について学べる場を提供した。

 「greencosme」ページには現在、「ドゥーナチュラル(DO NATURAL)」「エコストア(ECOSTORE)」「ファンケル(FANCL)」「プロダクト(PRODUCT)」「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」「ウカ(UKA)」「ナチュラグラッセ(NATURAGLACE)」といった自然派ブランドやサステナビリティに注力しているブランドを集積し、製品を販売している。ローンチの経緯について後藤麻希子アライアンス部部長は「昨今、メディアでよくSDGsが取り上げられているが、日本は欧米諸国と比較するとまだまだ製品の選択の際に考えられてないことが多いと感じる。一方でノインのコアユーザーであるZ世代は、SDGsや社会課題にとても敏感。発信力がある彼らにこそ、これからの化粧品業界をサステナブルな方へ引っ張っていってもらいたい。メディアとしての機能もあるノインで、ユーザーと共に地球問題を学びながら、その解決法のために活動しているブランドを紹介し、『地球も、私も、キレイになる。』を体現するための機会を提供しようと思った」と話す。

 同ページに掲載するブランドの選定には「Natural(ナチュラル)」「Environmental(環境)」「Ethical(エシカル)」と3の軸を用い、天然由来成分の使用比率を開示したり、リデュース・リユース・リサイクルを提唱したり、マイクロプラスチックフリーで海にやさしい処方を用いたり、さまざまなアプローチで環境問題に取り組むブランドをセレクトしている。今後も順次取り扱いブランドを増やし、2年後には全体の売り上げの50%を占めることを目指す。

 ページの開設に伴い、リアルなイベントも開催。そこでは「greencosme」ページのブランドがブースを出展し、自社の取り組みや製品について直接ユーザーにアピールした。「ノインではユーザーとのコミュニケーションを重視しており、2021年からはコロナ禍で減ってしまったユーザーとブランドのタッチポイントを提供するため、さまざまなテーマのオフラインイベントを開催してきた。SDGsやサステナビリティは難しく、やや固い印象を持たれがちなテーマでもあるので、クリーンビューティのエントリー層にも楽しんでもらうよう、楽しみながら学んでもらう仕掛けづくりを意識した」。

 ブランドの出展に加え、当日は榮倉奈々とメイクアップ・アーティストの村松朋広、渡邊弘幸ウカ代表とクリエイティブディレクターやライフスタイリストとして活躍する大田由香梨の対談も開催。さらに各ブランドの説明を聞き回った後に最も印象に残ったブランドを投票するスペースや、化粧品廃棄を減らすためにオフシーズンの製品を特価で販売するブースなども設置した。イベントの反響について「ノインのユーザーは熱量の高い方が多いため、各ブースは大盛況だった。『SDGsについては全く詳しくなかったが、普段自分が使うコスメから始められるのだと実感し、これからはそういう視点で選んでみようと思った』といった肯定的なコメントを多くいただいた」という。一方の出展ブランドからも「製品の完成度を高め、さらにその背景まで知ってもらえれば、今まで普通の化粧品を購入していた人にも広く受け入れられることが分かり貴重な経験だった」といった声が集まり、好評だった。

 ノインはECやメディアとしての機能に加え、最近はPBの開発にも力を入れ、ファミリーマートと共同開発している「ソポ(SOPO)」も人気を博している。リアルイベントでは、新たにローンチするヘアケアブランド「アブール(ABUR)」を披露した。後藤部長は「コア事業はECだが、ECを運営していく中で得たノウハウをもとに、ブランド事業、広告事業などを今後も展開していく。ECを運営する中で『これからの化粧品業界の在り方』の可能性をいち早くキャッチ・実証し、そのノウハウをブランドに伝えていく。代表の渡部賢が『自分が綺麗になることで、どこかにいるだれかが悲しんだり、何かを破壊してはならない』と毎回話しているが、今回の『greencosme』を通じてもそのような価値観が当たり前になればと思う」と意気込む。

経営体制強化に向けた新役員就任

 同社は4月1日付で、経営体制強化を図るため長田恭治氏が執行役員CHIEF PRODUCT OFFICER(CPO)兼CTO(最高技術責任者)に就任した。複数社の社外CPO、CTO、最高マーケティング責任者(CMO)、顧問を歴任した長田氏は、今後プロダクトのさらなる磨き上げや、各パートナーとより強固なアライアンスの構築、世界を目指せる会社へと成長するために力を発揮する。

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