パリス・ヒルトン(Paris Hilton)が「グラミー賞(Grammy Awards)」第64回授賞式で着用していたマティーニグラス型のバッグがNFTとして競売にかけられる。ブルーとシルバーのグラス型バッグは、ノルウェー人デザイナーのピーター・デュンダス(Peter Dundas)が仏ウォッカブランド「グレイグース(GREY GOOSE)」の協力を得て手掛けたもの。スワロフスキー3404個使用し、制作には約1カ月かかったという。
同アイテムはNFTとして、4月4日から72時間限定で、デジタルファッションプラットフォーム「ドレスX(DressX)」でオークションにかけられた。このNFTの購入者には、3Dのモーションアートと同バッグ、着用しているかのように編集された写真、デュンダスが手掛けるブランド「デュンダス」がニューヨーク・ファッション・ウイーク期間中に開催するパーティーに出席する権利などが与えられる。
「ドレスX」の創業者はウクライナ出身で、現在ウクライナへの支援に充てられるチャリティーオークション“ファッション・フォー・ピース(FASHION FOR PEACE)”を開催しており、ウクライナの国旗カラーにインスパイアされたファッションのNFTアイテムなどを出品している。同プラットフォームはファッションのNFTアイテムのほか、メタバースで着用できるデジタルアイテム、ARルックを扱っており、過去には「H&M」や「ファーフェッチ(FARFETCH)」と協業したほか、「バーバリー(BURBERRY)」や「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のアイテムを取り扱ったことがある。
デュンダスはマティーニを普段から愛飲しており、今回のプロジェクトに参加したのは「当然で、楽しい以外の何ものでもなかった。私はミュージシャンや音楽業界のアーティストの衣装を手掛けることが多いが、これは本当に自然なことだと思う。私のムードボードの半分は、過去や現在のミュージシャンの写真が占めているからね」と語る。
同氏はこのバッグ以外にも今年の「グラミー賞」授賞式でH.E.R.が着用したイエローとオレンジのグラデーションジャンプスーツを手掛けた。1976年にR&Bシンガーのアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)が着用したルックにインスパイアされたという。同氏は2017年にビヨンセ(Beyonce)の「グラミー賞」の衣装を手掛けたことでも話題になっていた。
「デュンダス」は4月に開催される音楽フェスティバル「コーチェラ(Coachella)」でファッションECサイト「リボルブ(REVOLVE)」と協業した新ラインを披露するという。