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「トミー ヒルフィガー」親会社のPVH、21年度通期は28%増収 メタバースに商機

 「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」や「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」などを擁するPVHコープ(PVH CORP 以下、PVH)の2022年1月通期決算は売上高が前期比28.3%増の91億5470万ドル(約1兆1168億円)、EBIT(利払前・税引前損益)は前年の10億7170万ドル(約1307億円)の赤字から10億7690万ドル(約1313億円)の黒字へ、純損益は前年の11億3750万ドル(約1387億円)の赤字から9億5200万ドル(約1161億円)の黒字になった。新型コロナウイルスのさまざまな制限の緩和による消費の回復が復調をけん引した。

 昨年トップに就任したステファン・ラーソン(Stephan Larsson)最高経営責任者は入社してすぐに“立て直し戦略”を施行。ブランド力と商品力の強化、ECおよびバックエンドのロジスティクスにさらに注力した結果、10億ドル(約1220億円)の負債を返済できたという。ECビジネスは20年の40%成長に加え、昨年はさらに30%伸ばすことに成功した。
 
 他社同様に、PVHはロシアのビジネスの停止やサプライチェーンの問題、インフレの影響を受けている。「不安定な環境の中でも、強固なビジネスとクリアなプランを立てている。ニューノーマル時代は流動的なため、常に消費者のニーズや環境に合わせて変化しなければならない」。

 今年度の売り上げの伸び率は、「ヴァン ヒューゼン(VAN HEUSEN)」や「ジェフリー ビーン(GEOFFREY BEENE)」といったヘリテージブランドの売却やロシア、ベラルーシ、ウクライナのビジネスの影響を考慮し、2〜3%を見込む。成長を成し遂げるのに、同社はメタバースに目を向ける。ラーソンCEOは「メタバースは今日の消費者にとって、ますます重要なプラットフォームになりつつある。特に若年層とそのさらに次の世代はリアルとデジタルの世界を流動的に行き来するようになるだろう。われわれもそういう考えのもと、メタバースの可能性を探り、消費者のニーズに応える必要がある」と話す。

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