知っておきたい知識をテーマ別で解説する「WWDスクール」を開講!長年業界を取材する記者が、コレクションやサステナビリティなど、それぞれの専門分野を徹底解説します。
コロナ禍もきっかけの一つとなり、現在勢力図が大きく書き替えられつつあるファッション業界。ここでは、そんな激変の中にあって気を吐く注目企業3社を紹介します。大型のSPA(製造小売業)2社と、ECを主販路に“D2C”と呼ばれるビジネス手法で売り上げを伸ばしてきた新興企業。それぞれの強みや考え方を知ることは、自分の仕事にもきっと生きてくるはずです。
五十君花実/副編集長
PROFILE:1983年生まれ。大学卒業後、繊研新聞社に入社。2018年に「WWDJAPAN」編集部にジョインし、SPAやウィメンズアパレルなどを取材 ILLUSTRATIONS : UCA
【ユニクロ】
目指すは「客の声を起点にした服作り」
事業活動を通して社会に貢献
■2021年8月期売上収益…2兆1329億円(グループのファーストリテイリング全体として)
「ユニクロ」は、「ジーユー」「セオリー」などと共にファーストリテイリング(FR)傘下のブランドです。FRはアパレルSPAとして、世界で「ザラ」のインディテックス、H&Mヘネス・アンド・マウリッツに次ぐ売り上げ規模を誇ります。コロナ禍の影響もあって、直近では日本と中国のユニクロ事業は苦戦していますが、日本発のグローバルアパレルとしては、FRは他社の追随を許しません。
ユニクロが目下注力しているのが、“VOC(VOICE OF CUSTOMER)”と同社が呼ぶ客の声を起点にした服作りです。ECサイトのレビューや、山口の本社と東京・有明本部に設けたカスタマーセンターに集まる客の声、SNS投稿などを日々分析し、商品企画やコミュニケーションに生かしています。ユニクロは定番品に強く、「毎年同じ商品を売っている」というイメージを抱く人も多いでしょうが、実はVOCをもとに、定番品も丈やシルエット、仕様などを毎シーズン細かくアップデートしています。だから毎年売れるのです。
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