アダストリアはサステナビリティビジョンを刷新し、「2030年までに全商品の使用素材の半分以上をサステナブルな原料と加工に切り替える」ことと、パリ協定に賛同し「50年までにカーボンニュートラルを実現する」ことを発表した。現状、同社の定義でサステナブルな原料・加工で生産した商品は、全体の約20%という。
同社は綿、ポリエステル、レーヨンについては独自のサステナビリティの定義を持ち、20年12月から定義を満たす商品については商品タグにマークをつけて販売している。また、環境負荷が高く、衣料に使われることが多い綿については、25年までに全商品をサステナブル原料に切り替えると20年9月時点で発表している。
同社のサステナブル素材の定義は、綿は①水、農薬、化学肥料の使用量を削減、②土壌の保全および生態系へ配慮、③生産者の労働環境の整備、を満たしたもの。ポリエステルは①資源の再利用、レーヨンは①植林法で管理された樹木から調達、②製造工程で二酸化炭素の排出量を抑制、③製造工程で水質汚染を軽減、といった条件をクリアする素材を指し、こうした素材を使用した商品にはタグにマークをつけている。定義策定にあたっては、各種認証や原産地証明などをエビデンスとして取得。対象範囲や認証などは、毎年見直しをしているという。
このたびウール、ナイロンについても独自の定義を定めた。それぞれの定義はおって公式ホームページ上などで公開する。これらの定義をもとに、30年に向けてサステナブルな素材の自社開発や積極的な使用を進める。
サステナビリティビジョンではほかに、既に21年2月期から実行している「衣料品在庫の焼却処分ゼロ」や、かねてから目標に掲げている「25年までに上級管理職における女性比率30%、管理職で45%以上」、モニタリングなどを通しガイドラインに沿った生産活動が取引先工場で行われているかを確認し、優良工場をパートナーとして認定する取り組みを「23年までに進める(現状、パートナー工場は30社)」ことなどを発表した。