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J.フロント22年2月期は営業黒字43億円 今期は“攻め”の投資を拡大

 J.フロント リテイリングの2022年2月期連結業績(国際会計基準)は、総額売上高(小売業の売上高に相当)が前期比13.8%増の8752億円、営業損益が93億円の黒字(前期は242億円の赤字)、純損益が43億円の黒字(同261億円の赤字)だった。営業黒字には子会社パルコを中心としたSC事業(営業利益20億円)、デベロッパー事業(同47億円)、金融事業(同19億円)など周辺事業が貢献した。

 百貨店事業の営業損益は45億円の赤字。構造改革費用がかさんだが、前期(207億円の営業赤字)と比較すれば赤字幅を縮めた。総額売上高は同16.5%増の5558億円。上期(3〜8月)は前年同期比27.7%増と順調なペースで回復していたが、1月の感染急拡大以降は失速した。店舗別でみると、大丸神戸店は一貫して回復基調を維持しており、下期(21年9月〜22年2月)はコロナ前の20年2月期との比較でも3.3%の増収。好本達也社長は「(大丸神戸店は)周辺エリアと一体感のある店舗開発ができた好例。幅広い年齢層のお客さまに支持され、外商販売にも強い。これを一つのモデルケースとしていきたい」と話す。インバウンド客が激減した銀座においても、昨春大規模改装したギンザ シックスが20〜30代客の獲得が進み、21年12月売上高が19年同月を超えて過去最高となるなど、一定の成果を得た。

 23年2月期連結業績は、総額売上高が前期比16.5%増の1兆200億円、営業利益が同23.9%増の210億円、純利益が同2.6倍増の115億円を予想する。同社は24年2月期を最終年度とする中期経営計画で、コロナ前への「完全復活」を掲げて営業利益403億円を目標値に定める。「これまでは先行きが見通せない中で守りに徹してきた。計画達成に向けてはギアチェンジが必要であり、攻めの投資を拡大する」と好本社長。23年2月期は基幹店を中心にラグジュアリーブランドや時計など高額品の品ぞろえを拡充し、外商販売を強化。「大丸松坂屋アプリ」を基軸にデジタルでの顧客接点拡大なども進める。

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