2022年春夏の最重要キーワードに「ヘルシーな肌見せ」が浮上してきました。爽やかなムードで素肌を露出する着こなしです。注目の演出は、写真のようにウエストを少しのぞかせる“チラ腹見せ”。世界中のおしゃれスナップでも相次いでキャッチされています。
難易度が高そうに見えますが、ポイントさえ押さえれば、実は試しやすいスタイリングです。コツは軽素材のアウターを重ねること。アウター次第で狙ったイメージをまとえます。今回は、国内ブランドが提案したリアルコーディネートを、ワイドパンツとショートパンツ、スカートの3種類のボトムス別にご紹介します。
ワイドパンツはボリュームのコントラストが鍵
ボリュームたっぷりのライトアウターは、肌の露出を抑えるのに役立ちます。素肌がのぞく面積が広く、扱いが難しいブラトップ系を着るときに頼もしい相棒です。
白をベースにしたコーディネートにブルーのブラトップを差し込んだのは、「カナコ サカイ(KANAKO SAKAI)」。ゆったりしたシルエットのコートとワイドパンツのビッグボリュームが、ブラトップのコンパクトさを引き立てています。また、寒色系のブルーをインナーに取り入れたことで、ボディーの引き締め効果も発揮しています。
ゆるい質感のライトアウターは、ブラトップの装いにくつろいだ雰囲気を寄り添わせてくれます。ルームウエア風のパンツとのコンビネーションは、リラックス感が格別です。
2枚目の写真の「スエサダ(SUESADA)」は、タンクトップの丈をカットしたようなトップスでヘルシーに仕上げました。ジャージーライクなアウターを羽織って、ややルーズに見せています。ゆったりと仕立てたイージーワイドパンツもトップスのタイトな表情を際立たせています。シャーリングを利かせたウエストのゴム部分をあえて見せる小技が、引き締まった印象を強めています。
ショートパンツ×ロングアウターで縦長効果
ショートパンツは素足の見え加減が気になりますが、着丈が長いライトアウターを重ねれば、むきだし感を避けられます。ショート丈とロング丈を掛け合わせた“長短レイヤード”なら、シルエットをより縦長に見せる効果を発揮してくれます。
「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」は、淡いイエローのショートパンツに、同色のロングアウターを合わせました。全体をワントーンでまとめているので、ショートパンツが目立ちません。ショート丈のトップスも取り入れて、ほのかにチラ腹見せ。アウターを重ねることで、背中や横からは素肌が見えず、またゆったりとしたアウターのカムフラージュ効果が効いて、細見えも叶いました。
ウエストゾーンの露出面積が広い場合は、アウターで隠すメリットがいっそう大きくなります。スイムウエアのビキニトップスをシティーウエアとして着こなす際も、“アウターかぶせ”が効果的です。
2枚目の写真の「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」は、全身を黒で統一。黒ならではの引き締め効果でくびれを引き出し、ウエストの露出が多めの着こなしともマッチしています。ショートパンツより着丈の長いアウターを羽織ることで、落ち感が強まりました。
スカートは上品なシルエットで大人の肌見せ
スカートとのコーディネートでチラ腹見せを仕掛ける場合は、上品なシルエットがおすすめです。タイトな膝丈を選べば、肌見せもカジュアルにならず、大人っぽくヌーディーな演出を試せます。
「セイヴソン(SEIVSON)」は、白でまとめて清らかなイメージの肌見せに整えました。スカートがタイトシルエットなので、露出したお腹まわりも引き締まって見えます。襟付きのトップスで、“きちんと感”がさらにアップ。太めのベルトもウエストまわりをシャープに見せる効果を発揮しています。
装い全体の色数を抑えるのも、チラ腹見せをスッキリした印象に仕上げるコーディネートです。トップスに黒や茶色などのダークカラーを使えば、さらにコンパクトに仕上がります。ブルーに代表される寒色系カラーの上下サンドイッチは、夏に使いたい色合わせです。
2枚目の写真の「ライフ ウィズ フラワーズ(LIFE WITH FLOWERS.)」は、ウォーターカラーのスカートのセットアップで爽やかなムードにまとめました。シャーベットブルーでクールな風情をまといながら、程よいドレープが品格を漂わせています。ハイウエストのスカートでおへそを隠し、胃のあたりをチラ見せした、節度を保った大人の肌見せテクニックです。
ワイドパンツやショートパンツ、スカートと、各ボトムスに合ったチラ腹見せを使いこなせば、狙い通りのムードに整えらます。切り札のライトアウターを重ねることで過度な露出を防ぎつつ、ボディーラインをカムフラージュ。温度調節にも役立ちます。夏本番を見据えて、ライトアウターを使ったチラ腹見せを予習し始めてみてはいかがでしょう。