今回は、ファッション関係者も多数来場した第二回サステナブル ファッション EXPOをレポートしたい。主催するFaW TOKYO (ファッション ワールド 東京)はサステナブルファッションのみならず、アパレルやバッグ、シューズ、アクセサリー、生地・素材・副資材、ファッションDXを扱う企業が世界中から集まる合同展示会を開催している。その中でサステナブルファッションは大きく盛り上がり、小さなエリアから、特化した合同展示会へと成長を遂げた。きっとどの業界でも、今まで存在しなかったサステナブルムーブメントがサードウェーブのように広がり、ビジネスにつながっているのだろう。
DXゾーンにはファッション企業に向けてマッチングサービスや新しいシステム導入を紹介するブースが並び、「エコ」「リサイクル」「フェアトレード」「脱炭素」「オーガニック」などのキーワードが並ぶエリアでは循環型社会へのビジネスモデルを肌で感じることができた。このジャンルに6、7年向き合ってきた私にとって、馴染みのある企業や取引先が立ち並び、どこにもお客さまが溢れている光景は嬉しさもひとしお。私も、新たな出合いを願いながら会場を回った。
興味をそそる企業は、数社あった。サステナブルなOEMを引き受ける企業は、「サステナブルなモノ作りがわからない」「けれど挑戦したい」というブランドにとって、心強い味方になりそうだ。サステナブルなスイムウエアは、用いる生地が少ない分、価格とのバランスが求められる。個人的には、今後楽しみなジャンルだ。
新しいキーワードとして気になったのは、「ポリ乳酸」という原料で作った繊維や生地だ。乳酸への期待は食のジャンルでかなり高まっており、その力を今後繊維でどう発揮していくのか楽しみ。私的に「ようやくここまできたか」と肩を撫で下ろしたのは、商品を販売するときの通称「エノキ(値札をつける紐状のプラスチック)」などが、紙や生分解性素材でリプロダクトされてきたことだ。できるだけコストをかけたくない資材は今後、従来品との価格差が焦点になる。他にもすでに注目されているバナナ繊維や生分解性繊維など、さまざまな取り組みに出合える合同展の更なる進化に期待しながら、各企業の取り組みが「目新しいもの」ではなく「当たり前」に変わる日を願っている。
ただ、私が求めていたものに出合えたかと言うと……。見つからなかった。ちょっと残念だった。見落としていただけかしら?実は培養素材に出合ってみたかったのだけれど、それは次回かな?情報を求む!