TSIホールディングスの2022年2月期連結業績は、営業利益が44億円(前期は118億円の赤字)だった。11年の会社設立後の最高益を達成した。仕入れコントロールの徹底と販管費の削減によって、当初計画に比べても大幅な増益になった。「パーリーゲイツ」をはじめとしたゴルフ事業・アスレジャー事業が41億円の営業利益を稼ぎ、婦人服やセレクトショップ事業の損失をカバーした。
売上高は前期比4.7%増の1403億円だった。不採算事業の整理の影響もあってコロナ前の20年2月期に比べると300億円近い減収だが、値引きの抑制効果もあって、粗利益率は大きく改善した。売上高・利益ともにけん引するのはゴルフ事業で、基幹ブランドでほぼセールも行わない「パーリーゲイツ」の売上高は同48.4%増の150億円に跳ね上がった。ストリート事業の「ハフ」の売上高も同61.1%増の71億円に成長している。
販路別ではEC(ネット通販)売上高が同2.1%減の429億円だった。店舗休業によってECが急成長した前期の反動で減収になったが、値引き抑制によって増益になった。
構造改革には一応のメドをつけたため、今期(23年2月期)は「積極的にトップライン(売り上げ)を取りにいく」(下地毅社長)とし、売上高で前期比12.1%増の1573億円、営業利益で同66.2%減の15億円、純利益で同46.7%減の15億円を予想する。22年3月期に受給していた雇用調整助成金がなくなることと、本社移転などの一過性の費用、円安による仕入れの高騰を見込まれるため、大幅な減益になる。