三陽商会2022年2月期連結業績は、営業損益が10億円の赤字(前期は89億円の赤字)だった。バーバリーショック以来6期ぶりの営業黒字を目指した(期初計画は営業黒字1億円)が、新型コロナの影響長期化で主力の百貨店販売が苦戦し、達成はならなかった。純損益は6億円の黒字(前期は49億円の赤字)。これは企業年金制度の改定に伴い、特別利益を12億円計上したことなどによるもの。
売上高は前期比1.9%増の386億円で、期初計画440億円には届かなかった。新型コロナ新規感染のペースが緩まった9〜12月期以外は販売苦戦が響いた。値引き販売の抑制により、売上総利益率は前年から9.7ポイント改善し48.0%とした。
販管費率は前年(61.8%)から11.1ポイント削減し50.7%。人員適正化、不採算店舗撤退などの構造改革を進め、販管費は2年間(20年2月〜22年2月)で削減目標40億円の2倍以上となる108億円を削減した。
23年2月期連結業績は売上高560億円、営業利益12億円、純利益9億円を予想する。なお同社は当期から会計基準を変更し、百貨店取引における販売手数料を販管費として計上する。そのため売上高の前期との比較は行わない。