毎年暖かくなると、「白いTシャツにジーンズでさわやかに決めよう!」と思い立つのだが、現実はそうはいかない。ジーンズは、ムレる。うだるような暑さの中、汗ばんだ肌にデニム生地が張り付くのはご免だ。
ジーンズ愛好家には「頻繁に洗わないほうがいい」と語る人も多い。洗濯の回数を減らすことで「ヒゲ」や「クモノス」と言われる、色落ちした部分とそうでない部分のコントラストによる模様がきれいに現れる(らしい)。だが、真夏に大量の汗や皮脂を吸ったデニムを放置すればどうなるかは、ちょっと想像したくない。
そんな夏のジーンズの「ムレ」「におい」の解決策となる“和紙ジーンズ”(男女兼用、ともに税込1 万9800円)が、マッシュスタイルラボの「アンダーソン アンダーソン(UNDERSON UNDERSON)」から発売された。タテ糸にインディゴ染めコットン、ヨコ糸には和紙糸を使用。見た目はジーンズなのに、和紙特有のシャリっとした肌当たりで、綿100%のデニムのようなごわつきがない。和紙は高い吸水速乾機能も備え、汗や皮脂が原因で雑菌が繁殖しにくいのもポイントだ。
和紙ジーンズは、すでに他の大手ジーンズメーカーなども商品化している。「アンダーソン アンダーソン」の和紙ジーンズが先行商品と差別化できているポイントは、その本格仕様にある。中西孝史デザイナー自身が広島・福山や岡山といったデニムの生産地に赴き、質感や風合いにこだわったセルビッジ生地(一部カラー除く)を使用している。リベット(ポケット部などにあしらわれる鋲)もビンテージのように鈍い輝きのものを選んでおり、細部へのこだわりが高級感を漂わせる。「和紙デニムは、綿100%のジーンズとはまた違った風合いや色落ちを楽しめる。たくさんのジーンズをはいてきた人も、新鮮な気分ではけるはず」(中西デザイナー)と薦める。