三井不動産は18日、新しいショッピングセンター(SC)「ららぽーと福岡」を25日の開業に先駆けて関係者や地元招待客に公開した。九州電力、西日本鉄道との共同事業で、九州初のららぽーととなる。博多駅や福岡空港にもほど近い青果市場跡の敷地8万6600平方メートルを開発した。福岡の繁華街である天神地区や博多駅地区だけでなく、広域の商業地図に影響を与えそうだ。
店舗面積4万6380平方メートルに222店舗が入る。全国に17あるららぽーとの中でも上位規模になる。
物販や飲食だけでなく、九州初となる子供のための職業体験施設「キッザニア」(夏に開業予定)や木製の遊具や玩具を集めた「福岡おもちゃ美術館」、実物大のガンダム立像やエンタメ施設「ガンダムパーク福岡」など、広域から家族連れを呼べるコンテンツをそろえる。約1450席もある広いフードコートには、地元の人気飲食店や全国の名店を集めた。
施設内に広場やスポーツ施設を充実させているのも特徴。200メートルの陸上トラックやサッカーコート、テニスコートは地元の住民や学生たちにも利用してもらう。
ららぽーと福岡はいわゆる郊外立地だが、JR博多駅から1駅の距離にあり、幹線道路の筑紫通りにも面しており、交通の利便性に優れている。そのため出店交渉はコロナ禍の混乱の中で始まったにもかかわらず「テナント側の(福岡マーケットへの)期待が高く、リーシングはスムーズに進んだ」(広川義浩・専務執行役員商業施設本部長)という。ブランド複合店「ベイクルーズストア」を出店したベイクルーズの担当者は「九州全域から集まるお客さまとの接点が持てるチャンス。『ジャーナルスタンダード』など都心のファッションビルに出店するブランドも提案する」と話す。
自動車渋滞の対策として、JR竹下駅では土日休日はふだん停車しない快速と区間快速を6月末まで停車するようにしたり、西日本鉄道は西鉄大橋駅からの直行バスを最大3〜5分間隔で走らせるようにするなど、公共交通の利用を促す。駐車場は入庫時にカメラでナンバープレートを読み込むことでチケットレスにし、混雑緩和につなげる。