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「デザイナーこそがブランドの根幹、人件費は惜しまない」 売上高38億円に育った「アメリ」のモノ作り【中編】

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 ウィメンズのリアルクローズ市場で影響力の大きな「アメリ(AMERI)」。この連載では、「アメリ」の強みとしてよく語られるSNSの活用方法といった部分ばかりにフォーカスするのではなく、商品企画のプロセスから同ブランドが売れる理由を取材した。

 「アメリ」のデザインチームのメンバーは6〜7人(育児休業などで変動)。毎シーズン、アシスタントも含めメンバーそれぞれが企画を持ち寄ってデザインを決めていく。何を商品化するかの最終決定権は黒石奈央子ビーストーンCEOが握っているが、シーズン初めのディレクションは、特に黒石CEOが主導するものではないという。「1人のディレクターが次シーズンの大きな方向性やテーマを決め、それに沿ってデザインチームが作っていくというブランドは多いと思うが、それだと提案の幅が狭まってしまう」と黒石CEO。

 具体的な企画の進め方はこうだ。「フレンチシックなテイストが気になる」「モロッコ調の柄の流れがきている気がする」。そんな抽象的なアイデアを持ち寄る会議を、シーズン始めにアシスタントも含めてデザインチーム全員で実施。春夏物であれば、最初の会議を行うのは前年の4〜5月だ。コロナ禍になる前はそうした会議に先駆けて、福利厚生も兼ねてデザインチームのメンバーらで海外旅行にも行き、現地のビンテージショップや美術館を回るということもしていたという。

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