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Z世代が気候変動対策のタイムリミットを示す時計を渋谷に設置

 20歳以下の若者による環境活動家集団a(n)action(アナクション)とITコンサル企業のSEAMES(シームス)は4月15日、気候変動対策の緊急性を訴える気候時計を渋谷区内に設置するプロジェクトを発表し、第1号機を渋谷駅ハチ公前広場観光案内所に設置した。

 気候時計とは、地球の平均気温の上昇を1.5度以内に抑えるために残された時間を示すもの。世界では、ニューヨーク、英国グラスゴー、ソウルの都市部に大型の気候時計が設置されている。国連の気候変動に関する政府間パネル(INTERGOVERNMENTAL PANEL ON CLIMATE CHANGE、以下IPCC)のデータに基づく試算では、現状の二酸化酸素排出量のペースでは7年と93日以内に、気温上昇が止まらなくなる臨界点に達してしまうと言われている。a(n)actionのメンバーは、「7年後私たちはまだ30歳にもなっていない。本当に時間がないんだという緊急性を伝えたい。危機感を共有し、日常的に気候変動が話題になる世の中を目指したい」と話した。

 昨年12月にクラウドファンディングを実施したところ、開始約1か月間で目標の1000万円を超える支援が集まった。これを運営資金とし、気候時計は小型機と中型機を用意。今後は一般社団法人渋谷未来デザインと一般社団法人渋谷区観光協会の協力の下、渋谷区内の商業施設や文化施設などに約100機設置することを目指す。「あらゆる場所に時計を設置することで、『日常的に何度も見かけるこの時計はなんだろう?』と興味を持ってもらうことが狙いだ」という。

 時計横に表示するQRコードからは、特設サイトにアクセスできる。そこでは、「政府による気候変動対策の加速を求める宣言」にワンクリックで参加でき、宣言が1万回突破するごとに、a(n)actionのメンバーから環境省に宣言を通知する。そのほかにも、日常生活で起こせるアクション一覧などのコンテンツを用意した。アクションの中には、服の廃棄を減らし古着の活用なども呼びかける。メンバーは、「a(n)actionでは、フリーマーケットの開催などのイベントを通して1着を長く楽しむことの大切さを発信してきた。ファッション企業へは、新しいものを大量に作って廃棄するビジネスから循環ファッションへの移行を求めたい」と話した。

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