アーティストのマイカ・ジョンソン(Micah Johnson)が手掛けるデジタルキャラクター、アク(Aku)は、「プーマ(PUMA)」「ビリオネア ボーイズ クラブ(BILLIONAIRE BOYS CLUB)」「アイスクリーム(ICECREAM)」「ペーパー プレインズ(PAPER PLANES)」「アップスケール ヴァンダル(UPSCALE VANDAL)」「フー ディサイズ ウォー(WHO DECIDES WAR)」とデザインした3Dアバターを4月22日に発売する。
“アクターズ(Akutars)”と名付けられた1万5000体のアバターは全てデザインが違い、イーサリアム(Ethereum)のブロックチェーンを使って制作されたNFTだ。所持するとアクに関わる商品やコラボレーションを扱う“アクバース(Akuverse)”へアクセスできるという。
“アクターズ”の制作チームは40人。3D制作プラットフォーム、アンリアルエンジン(Unreal Engine)で制作している。アクを手掛けるジョンソンは米インディアナ州出身で、シカゴ・ホワイトソックス(Chicago White Sox)、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)、アトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)に所属していた元メジャーリーグベースボール(MLB)選手。2016年に絵を描き始め、18年に引退してからはアートにより傾倒。ロサンゼルスのアート エンジェルス ギャラリー(Art Angels Gallery)に作品を展示した経験もある。
大きな宇宙飛行士用ヘルメットを被った少年のキャラ、アクは自身の作品をより多くの人に見てもらいたいというジョンソンの思いから誕生。ジョンソンの描く絵画はリアルで目が強調されているが、アクはヘルメットを被せることによって匿名性を生み出している。「私はアクを日記のように捉えていて、過去に起きたことをアクを通して伝えている。私は脚光を浴びたり注目されたりするのが苦手なのでアクを通して自分のメッセージを伝えているんだ。これまでアートを販売したことがなかったから、自分の名前や過去の経歴を利用して、元野球選手の画家であることをアピールする必要があった。特にこの(NFTの)コミュニティーは白人が多いため、黒人のクリエイターがコミュニティーにいることを人々に知ってもらう事が重要だった」と語る。
ジョンソンは21年の2月から22年の2月まで10章からなるシリーズを通して、アクを紹介してきた。章を集めたユーザーには報酬が与えられる仕組みで、今回のアバターも章の所有者に配布される予定だ。ジョンソンは今回のコラボ相手について「アクに自分たちと重なる部分を見出し、サポートしてくれた」とビジネス目的ではなくキャラクター自体に関心を寄せていたことを強調する。ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が手掛ける「アイスクリーム」や「ビリオネア ボーイズ クラブ」とは宇宙飛行士のモチーフが、「ペーパー プレインズ」とはフライトにルーツを持っているところがキャラと共通している。また、「フー ディサイズ ウォー」とはアクが同ブランドの22年秋冬コレクションのバーチャルショーでラストルックを務めた。「アップスケール ヴァンダル」はラッパーのプシャ・T(Pusha T)とともにアクのクリエイティブ・カウンシルを務めている。