狂ったように猫を溺愛する美容ライターが、猫と美容を強引に結びつける力技ビューティコラムVol.22。猫にちなんで、毎月2(ニャー)日と22(ニャーニャー)日の2(ニャー)回更新しています。今回のテーマは「猫に学ぶ、初夏のニオイ対策」。マスクが手放せなくなってから、臭いエチケットが手薄になっている人は少なくないはず。臭いが人に与える影響はとてつもなく大きく、悪臭を放ってしまったら最後、たとえ見た目が美しくても「臭い人」というネガティブな印象が勝ってしまうと言われる。汗や皮脂が増え臭いリスクがさらに高まる今こそ、どこを嗅いでもいい匂いを放つ猫のような好印象美人を目指そう。
知らぬ間にスメハラしてる!? マスク時代の弊害、「嗅覚の鈍り」に御用心
まだ4月末だというのにすっかり初夏の陽気。春と秋が秒で過ぎ去り夏と冬が異様に長いという過酷なルーティンに慣れつつある自分が悲しい。そんなことを思いながら電車で移動していた時のこと。車内もモワッとした空気が立ち込めていて、やっぱり蒸し暑い。「さよなら春……」と心の中で呟きながら、ペットボトルの水で乾いた喉を潤そうとマスクをサッとずらしたところ、突如とてつもない激臭が!!
「えっ? くっさ! 密室でこんな激臭ぶち撒けるなんてどんなテロリストだよ!!!」と怒りに震えながら臭いの元を辿ると、そこには車内でヒールからフラットシューズに履き替えようとしている20代半ばと思しき女子が。
これが、部活帰りの高校球児や中高年のおじさんなら、臭い源としてのイメージから遠くないため「致し方なし」となるが、この時の臭い源は、あそこで靴を履き替えているカトパンのようなあざと系の風貌をした20代女子。鼻からの情報と目からの情報が錯綜してプチパニック。
鼻と目が釘付けになり凝視してしまったが、髪はヨシンモリっぽく巻かれネイルはピンクのラブリーなアートが施されていた。毛を巻く前に足裏消臭、ネイルアートの前にフットケアサロンで角質ケアだろうが。
マスクをして靴を履き替えている彼女は、自分から激臭が放たれていることにまるで気づいていないようだった。でもこれ、明日はわが身。今はみんなマスクで鼻を覆っているから、コロナ前よりも臭いエチケットが手薄になっている可能性は大いにある。
以前、満員電車でちょうど私の鼻の高さにズイッと現れた30代ぐらいの女性の後頭部から酸化した皮脂のような臭いが漂ってきて、あまりの臭さに耐えかね車両を変えたことがあったのを思い出した。その時も、「全くもう!」と心の中でイラッとしたが、私の後ろにいた人は私の頭の臭いを嗅いでどう思っただろうか、とふと気になった。毎日洗ってはいるけれど、絶対にいい匂いを放っているとは言い切れない。
気温と湿度の上昇とともに臭いリスクがグングン上がっていく時。マスクを外した瞬間の臭いギャップで幻滅させないよう、今こそ臭いエチケットを強化しようと心に誓った。
足もワキも耳裏も。猫は全方位いい匂い
足の臭い、汗の臭い、ワキの臭い、頭皮の臭い、そして40代以降になると女性も加齢臭を放つようになる。では、猫はどうか。
我が家の3猫で臭いチェックをしてみた。愛猫だからと容赦はしない、もちろん抜き打ちだ。まずは肉球から、指の股まで念入りにクンクン嗅いでみる。ポップコーンのような香ばしい匂いだった。続いて耳の裏や頭。人間では加齢臭や脂臭さが放たれる要注意ゾーンだが、鼻を密着させてスーハーしてみるも焼きたてのパンのような美味しそうな匂いしかしない。ワキはさすがに臭いだろうと鼻をめり込ませて嗅いでみるもツーンとくるどころか、むしろほの甘く、お日さまをたっぷり浴びた干したてのお布団のような幸せな匂いがする。完敗だ。
猫は活動している時間の30〜40%はグルーミングに割いていると言われる。あの、ザリザリの舌で暇さえあればせっせとケアをしているほどのキレイ好きなのだから、自ら毛づくろいができなくなるシニア猫でもない限り、獣臭さや汗くささなど残りようもないのだ。……ということは、私たち人間はまだまだお手入れが足りていないということか。
猫のように人を幸せにする香りをしたためる臭いエチケットアイテム
ということで今回は、猫のように全方位いい匂いを放つための臭いエチケットアイテムを厳選!
古い角質や余分な皮脂は悪臭のもと。角質ケアがしっかりできるボディーソープをデイリーに使っておけば無理なく臭い対策ができるだろう。「クレンジングリサーチ(CLEANSING RESEARCH)」の“ボディピールソープ”にはフルーツ酸が配合されているため、洗うだけでボディーの古い角質や余分な皮脂をしっかり落とすことができ全身つるすべに。植物性洗浄成分配合の優しい洗い心地でありながら、背中や二の腕、お尻のざらつきもスッキリ。
汗は分泌された瞬間は無臭で、汗や皮膚の汚れをエサにした細菌が臭い物質を作り出す。だから、汗をかいたら放っておかずこまめに拭き取ることが臭い対策として有効だ。「ロクシタン(L'OCCITANE)」の“ヴァーベナ アイシー タオレッツ”は南仏プロヴァンスの夏の風物詩とも呼ばれるハーブ、ヴァーベナの香りをしたためたシートタオル。気になる汗を手軽に拭き取りながら、レモンに似た爽やかな香りとアイシーな感触で心身をリフレッシュ。
臭いのもとを除去できたら、心地よい香りをまとって好印象をGET。汗ばむ季節なので濃厚すぎる香りさえ避ければどんなフレグランスでも問題なさそうだが、ここはいっそのこと“子猫”を表現したコロン、その名も“キットゥンファー”をまとって猫になりきってしまおう。綿毛のようにほわほわとした子猫を思わせる優しくて温かいクリーンな香りは、発売直後あっという間に全世界でベストセラーになった1本。猫のように周りの人を幸せにするいい匂いを振りまきたいなら、これ以上の香りはないだろう。
一番の悲劇は、第三者から「臭い源のイメージそのもの」とジャッジされること。「あのおばさん臭そうだもんね」と思われたら終わりだ。いかにもいい匂いを放ちそうで、実際にどこを嗅いでもいい匂い、そんな猫的な好印象を死ぬ気で目指したい。