ユニクロは、4月21日にイギリス・ロンドンのリージェントストリートに新店舗をオープンする。開店に先駆けて展覧会に足を運んだ現地のライターが、見所をいち早くリポートする。
2001年に初めて海外進出を果たした「ユニクロ(UNIQLO)」。その記念すべき1つ目の国となったのがここイギリスで、最初にオープンした店のうちの1つがリージェントストリート店だった。新店舗を構えるのは、そんなストーリーがある旧店舗の斜向かい。ロンドンの中心地であるリージェントストリート沿いで、売り場は、地下1階と地上2階からなる計1900平方メートル。新店は「ユニクロ」と「セオリー(THEORY)」が同居する欧州初の店舗であり、かつて英国の老舗テーラー「オースティン リード(AUSTIN REED)」も入っていた、歴史ある建物でもある。
店内に入ると出迎えてくれるのは、春らしい爽やかなリネンアイテムに身を包んだマネキンと、ロンドンのインディペンデントなフラワーショップが手掛けたアレンジメント。ここにはショーツやジャケットのほか、ヨーロッパ限定の男女兼用のシャツ20色などのリネンアイテムが揃う。どれもサイズレンジは広く、シルエットも旬。足を運べば、いまの気分にぴったりのアイテムがすぐに見つかるだろう。
色鮮やかなリネンアイテムが1階にずらり
入店して右手にあるのは「セオリー」のブース。ストーンプレートのデスクや黒を基調としたラックが並ぶコンテンポラリーな空間に、春らしいパステルカラーがズラリ。比率は75%がウィメンズ、25%がメンズとのことだが、男女のアイテムが揃うのはここが初めてだそう。
続いては同じフロア(1階)の、デニムをメインにしたブースを紹介。デニム×白Tシャツを定番とする欧州のカスタマー向けのレイアウトとなったこのフロアには、バリエーション豊富なデニムとトップスがぎっしり。奥には陽の光がたっぷりと入る大きな窓とベンチが設けられ、ドリンクを楽しみながら寛ぐことなどもできる。
「ユニクロ」はこれまで、リサイクルやリユース、サプライチェーンの労働環境を守るなど、サステナブルな取り組みを精力的に行ってきたが、生産過程にて環境負担が特に大きなデニムでもそれを採用。ジーンズを洗いにかける際の水を最大99%節約しているそうだ。
らせん階段に、現地クリエイターのグラフィック
2階へと続く階段には、クリエイティブグループ「Tate collective」に参加する16〜25歳の4名のクリエイターの、"The Spirit of London"というテーマの元に作成されたグラフィックを、液晶モニターにて展示している。iPhoneで撮影しているモデルの切り抜きを使ったコラージュや、ロンドンバスを描いたイラストなど、どれもひと目でイギリスや「今」を感じられる作品に。
階段を上り切ると広がるのは、キッズとウィメンズのフロア。旧店舗にキッズはなく、さらにここにはちょっとしたプレイルームも設けられているため、子ども連れによる購買も望めるだろう。
歴史が残る地下にはリペアスペースも
最後は地下のフロア。階段を降って左手はメンズアイテムのコーナーで、向かって右手は冒頭で紹介した「オースティン リード」のラボをそのまま活かしたインテリア。その中で、ユニクロが“マスターピース”と呼ぶ、時代に沿って改良を重ねてきたアイコン的なアイテムをラインアップすると共に、リペアスペースも設けている。
ラボの入り口に立つのは、まるで神秘的なオーラに包まれているかのような、イノセントな、オールホワイトのマネキン。世界中から入学希望者の集まるファッションの名門校セントラル・セント・マーチンズ美術大学との“アップサイクルプロジェクト"の作品で、着古したユニクロの商品を身につけている。
リペアスペースでは、その場で購入した商品はもちろん、「ユニクロ」の他店舗で購入した商品もお直しができる。日本の伝統であり、コロナ禍によりイギリスでも大ブレイク中の刺し子の手法でリペアしてもらえる。ひとつ3ポンド(約492円)からオーダー可能。糸の色も合わせる布も自由なので、たとえ破れていなくてもお願いして、世界にひとつだけのデザインにするのもいいだろう。