フルラ(FURLA)は4月21日、マウロ・サバティーニ(Mauro Sabatini)最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。同氏は2021年1月に同職に就任したばかりで、1年余りでの退任となる。後任は未定で、当面はデイビス・バセット(Devis Bassetto)最高執行責任者が同社を率いる。
サバティーニ前CEOは、「フルラ」の長年のサプライヤーで、18年からフルラ傘下に入ったレザーグッズのメーカー、エッフェウノ(EFFEUNO)の創業者。同社のCEOを18年以上務めつつ、11〜13年にはフルラで材料調達部門のバイス・プレジデントを務めた。その後、当時コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)の傘下にあった「ランセル(LANCEL)」のコンサルタントに就任したほか、14年からは同じくリシュモン傘下の「ダンヒル(DUNHILL)」でサプライチェーンの再設計などを担当した。
フルラの主要市場である日本がコロナ禍の影響で外出規制措置などを取っていたため、20年の売上高は前期比42.0%減の2億9080万ユーロ(約392億円)だったが、21年は7.6%増収だった。同社は1927年の創業以来、一族経営を続けており、2016年には上場を検討したものの実現には至らなかった。22年3月には、情報筋の話として、同社が少数株式の売却を検討していると米メディアが報じた。同じく情報筋によれば、ヴァレンティノ(VALENTINO)の前CEOであるステファノ・サッシ(Stefano Sassi)が株式取得に関心を示しているという。