バケツをひっくり返したような形の“バケットハット”がこの夏もファンを増やしそうです。装いにアウトドアやストリートのムードを呼び込んでくれるので、フェミニンや肌見せなど、真逆の着こなしに添えるとちょうどいい塩梅に仕上がります。日焼けした肌とも相性がいいので、大型連休や初夏の外出にもピッタリ。今回は、トレンドの腹見せルックやジェンダーミックス、ミニスカートに生かしやすいスタイリングを“街の達人”たちのスナップからピックアップしました。
大人の腹見せの名脇役
クラウンが高めのバケットハットは、視線を引き上げてくれるので、全体のプロポーションが縦長に映ります。視線を上に引き込む分、ウエストまわりの肌見せが目立ちにくくなるので、肌の露出をアピールしたくない人には好都合のアイテムです。
1枚目の写真は、チューブトップ×デニムパンツで大人の腹見せスタイル。素肌が目立ちすぎないのは、カラフルなバケットハットが一役買っているから。ゼブラ柄風のライトアウターをかぶせて、ヌーディーな要素をセーブ。グリーンのバッグも視線を体からそらしてくれる小道具です。
アイキャッチーな柄を帽子に取り入れると、視線を集める効果がアップ。モチーフごとに別のイメージをまとえるのも、“お目立ちバケット”のいいところです。
2枚目の写真では、パンチの効いたレオパード柄のバケットハットが装いのムードメーカーを務めました。クロップドTシャツとギャザースカートの隙間でチラ腹見せをしていますが、帽子のおかげで肌見せが目立たない仕掛け。チェック柄のグリーンのジャケットと、オレンジのバッグも視線の分散を助けています。
フェミニンなムードをほどよく引き算
バケットハットにはボーイッシュな雰囲気があるので、装いのフェミニン度を下げるスタイリングにも使えます。帽子とワンピースまたはスカートを合わせるだけで女性らしさやエレガンスが“引き算”され、手軽にジェンダーミックスなスタイルに整えられます。
1枚目の写真は、裾のフリンジが躍る格子柄のシャツワンピースを主役に据えた装い。フェミニンに寄りすぎないよう、黒のバケットハットをかぶり、全体のトーンを引き締めました。足元もボリュームブーツでタフさをアピール。レッグラインをほっそり見せる効果も引き出しています。黒と白のツートーンで全体をまとめて、クールに仕上げました。
色・柄やシルエットが目立つスカートをまとうと、視線が腰から下に集中してしまいがち。下向きの目線は全体を縮こまった印象に見せやすいので、そんなときこそバケットハットの出番。高さを稼いだうえに、ムードのバランスも整えてくれます。
2枚目の写真では、パレオ風のスカートが装いをカラフルに彩っています。スカートでリゾート気分をまといつつ、バケットハットとスニーカーでスポーティーさやストリート風味をミックス。クロップド丈のタンクトップで腹見せして、“街中リゾート”スタイルに。ゴールドのチェーンネックレスがリッチな雰囲気も寄り添わせています。
Y2Kのミニスカートスタイルを大人っぽく
バケットハットは、装いに落ち着きを加えるピースとしても重宝したいアイテムです。ポイントは、深めにかぶること。眉毛が隠れるぐらい深くかぶれば、ミステリアスなムードも漂います。
1枚目の写真は、シルバーのミニスカートがキュート。赤白のボーダーニットでチャーミングな印象です。若々しく見えすぎるのを防いでくれたのが、「ディオール (DIOR)」のロゴ入りバケットハットとバッグ。愛らしい服と小物がクラス感を添えました。スニーカーライクな白ブーツで足元に元気な印象をプラス。2000年頃のムードを復活させた「Y2K」テイストがトレンド気分を高めています。
バケットハットにはアウトドアやカジュアルのイメージがありますが、ダークトーンで無地のデザインを選べば、穏やかなムードの着こなしにもなじみます。シックな表情を引き出すには、色数を抑えるスタイリングが効果的です。
2枚目の写真は、白シャツにグレーのミニスカートでグッドガール風の着こなし。ロングアウターを重ねることで脚の肌見せを抑え、クラウンが高めのバケットハットで落ち着いたスタイリングにアレンジしました。バケットハットのおかげで、ミニ姿も幼く見えません。
今回ご紹介したように、バケットハットをフェミニンな服と合わせると、一気にこなれた見え具合に整えられます。ワンピースやクロップド丈のトップス、ミニボトムスなど、初夏の休日にまといたくなるアイテムをバランスよく見せてくれるバケットハットは、紫外線除け以上の仕事ぶりが期待できるアイテムです。外出が楽しくなりそうなこれからのシーズンのお供に迎えてみてはいかがでしょうか。