YKKはこのほど、循環型経済を推進する英エレン・マッカーサー財団(ELLEN MACARTHUR FOUNDATION)のグローバルネットワークに加盟した。他の加盟企業と知見を共有し、同財団が提唱する循環型の原則、「廃棄物・汚染をなくす」「製品と資源を循環させる」「自然を再生する」に沿って循環型経済の実現に向けた取り組みを強化する。
具体的には、海洋プラスチックごみを使用したファスナーのほか、有害物質を含まない新たなめっき技術の開発など、環境配慮型の商品および技術開発に注力する。また、ファスナーの引手にNFCチップを内蔵した「タッチリンク(TouchLink)」で資源循環に貢献する。これは、引手にスマートフォンを近づけると、登録情報を読み取り、ウェブサイトやアプリと連動ができるというもの。従来アパレル製品のタグやラベルに記載されているケア情報やトレーサビリティに関連する情報を格納でき、再販やレンタルなどの循環型の施策をサポートする。
同社は、2020年3月に「ファッション業界気候行動憲章」に署名。同年10月には、50年までに気候中立(事業全体で排出する温室効果ガスと削減量をプラスマイナスゼロにすること)を達成するための持続可能性目標「YKK サステナビリティビジョン 2050」を策定した。同社の30年度に向けた温室効果ガスの削減目標は、気候変動による世界の平均気温上昇を産業革命前と比べ1.5度未満に抑えるというパリ協定へのコミットを証明するSBT(Science-Based Targets)認定を取得している。