ファッション

ユニクロを着て、謎のスポーツ“パルクール”を体験してみた まるで現代版忍者!

 待ちに待ったゴールデンウイーク!お休み中の方は、この機会にスポーツやアウトドアレジャーを楽しむというケースも多いのではないでしょうか。ランニング、サイクリング、釣り、キャンプなどなど、楽しいスポーツ&レジャーは多いですが、「どうせならこの連休は何か新しいことがしたい!」。そんなチャレンジ精神あふれる方に是非ご紹介したいスポーツがあります。それは“パルクール”!……などと言うとまるで私パルクールの熟達者みたいですが、恥ずかしながら先日1回お試し体験をしただけです。しかし、それがとても楽しかったのでご報告させてください。

 そもそもパルクール(parkour、フランス語)とは何か。ウィキペディアによれば、「移動動作を用いて、人が持つ本来の身体能力を引き出し追求する方法、及びスポーツ」です。そう聞いてもよく分からないですよね。ググると他にも、「もともとはフランス軍のトレーニングメニューだった」「現代版忍者」といった話も出てきますが、体験会を経た私の解釈では「自分の身一つで、さまざまな障害物を飛んだり避けたりしながらストリートや公園、専用施設を縦横無尽に駆け抜けるスポーツ」です。

 なぜパルクール体験をすることになったのか。それはユニクロのPRチームにお誘いいただいたからです。東京五輪や北京冬季五輪のスウェーデン選手団のユニフォームを手掛けるなど、ユニクロが近年スポーツウエア開発に非常に力を入れていることは皆さんもご存知かと思います。今って、日常着とスポーツウエアの境界が非常にあいまいになっているので(例えば、街着としてアウトドアブランドの透湿防水アウターを着ている方、猛烈に多いですよね)、快適なスポーツウエアを開発することは、すなわち快適な日常着(=ユニクロが言うところの“LifeWear”)を開発することにつながるんですね。

 で、「実際にユニクロのスポーツウエアを着てスポーツをして、その快適性を実感しましょう!」という会が媒体関係者向けに開かれたのですが、その体験メニューの中にパルクールがあったのです。正直、私それまでパルクールを全く知りませんでした。しかし、パルクール以外のメニューがピラティスやウォーキングだったので、「どうせならこういう機会でないと一生やらなさそうなものをやってみよう」とパルクールを選んだ次第。パルクール以外にももう一つ、謎スポーツの“バーティカルラン”というメニューがあったのですが、「東京タワーの外階段を駆け上がる」と説明があり(確かにバーティカル=垂直方向=のランですね)、高所恐怖症なのでこちらはパス。

カルチャーを感じる注目競技

 前置きが非常に長くなりましたが、4月某日、江戸川区にある屋内パルクール練習場「MISSION PARKOUR PARK TOKYO」を訪ねました。「そもそもそういう施設があるのか!」と思われる方も多いと思いますが、あるんですよ。こちらはパルクール専用の練習場です。専用となると都内でもかなり数は限られるようですが、アスレチック競技の一環としてパルクール体験ができる施設は他にもいくつかあるみたいです。施設に集まったのは、モード誌や男性誌の編集部員さん計6人。パルクール経験者は一人もいませんでした。手渡されたユニクロのスポーツウエアに着替えたら、いざ体験スタート!

 そこに現れたのはパルクールプレーヤーの先生お2人。「MISSION PARKOUR PARK TOKYO」主宰のYUUTAROUさんと、TENさんです。これがお2人とも非常にカッコいいんですよ。しかも、単に姿形がカッコいいというのではなく、スタイルがあると言った方がしっくりくる感じ。2人だけでなく、施設内に貼ってあったお写真を見るにつけ、他の先生方もそれぞれ個性が立っていましたし、ウェブで検索して出てくるパルクールプレーヤーもみんなエッジがきいていてカッコいい。

 東京五輪で一気に認知度を上げたスケボーやクライミングって、プレーヤーの方たちのたたずまいや競技との向き合い方なども含めて、スポーツというよりカルチャーなんだなと感じる人は多いでしょうが、恐らくパルクールもそういったムードがあるんだと思います。今はまだまだニッチなスポーツですが、ゆくゆくはスケボー、クライミングのようにメジャーになっていくのかもしれません。恐らくユニクロもそういう点に着目して今回メニューに選んだのではないかと。「WWDJAPAN.com」内でパルクールを検索しても、過去に「エルメス(HERMES)」がイベント開催時にパルクール競技者と組んでいたり、「ニューエラ(NEW ERA)」が選手をキャンペーンモデルに起用していたりと、カルチャー的側面でも注目されているスポーツなんだと思います。

安心してください、初心者にもできます!

 さて、実際にパルクール体験として何をやるのか。正直、事前にユーチューブでパルクール動画を見ていた私は、プレーヤーのアクション映画のような軽やかな身のこなしにかなりびびっておりましたが、安心してください、最初からそんなことは求められません。まずは平均台のようなバーの上に立ち、片足だけでバランスを取る訓練から。普段からヨガなどで体幹を鍛えている方は、結構難無くできると思います。私はヨガはしていないですが、今冬春は毎週末何かに取り憑かれたようにスキーをしまくっており、体幹が自然と鍛わっていたからなのか比較的問題無くできました。

 平均台での片足立ちができたら、次は跳び箱のような障害物をヒラリと飛び越える訓練です。こういう動きのことをパルクールでは「ヴォルト」と呼ぶそうで、ヴォルトにもさまざまな種類があるんだとか。私たちが体験したのは初心者向けヴォルトでしたが、これがなかなか難しい!数回繰り返すと、障害物に片手だけついてピョンっと飛び越えることがなんとか形にはなるのですが、モタモタしてしまって先生たちのようなスピード感&フォームのカッコよさにはどうにも近づけません。先生がどういう動きをしているのかを目で追う動体視力と、それを理解して自分の体で再現する身体性が求められます。これができたら日常でも身のこなしが軽くなりそう。

 ちょっと疲れてきたところで、パルクールのワールドカップ出場経験もあるというYUUTAROUさんの動きを観賞。高低差がまるで無いかのように施設内を駆け回るその姿は本当に忍者のよう。繰り返しになりますが、動きが早過ぎるので見る側の動体視力を試されます。そして、この日は体験者だけでなくもちろん先生たちもユニクロのスポーツウエアを着用。こんなに激しいパルクールのパフォーマンスも、ユニクロのウエアは制限しません!

 と、ここらへんで残念ながら体験時間が終了。ほんの入り口部分だけでしたが、未知の競技パルクールを体験することができると共に、それを取り巻くカルチャーについてもなんとなく感じられて良き経験となりました。競技としてガチで始めるというのももちろんいいですが、今回のわれわれのように健康維持や日常のスポーツの一環として取り組むという意味でも、パルクールは新鮮でいいのでは。独特のスタイリッシュなカルチャー感は皆さんにも是非体感してみてほしいです。「MISSION PARKOUR PARK TOKYO」ホームページによると、この連休中もクラスによってはまだ参加できる枠があるようですよ〜(キャンセル待ちのクラスも多くて、人気なんだなと感じております)。

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