ワールドの2022年3月期連結業績(国際会計基準)は、本業のもうけを示すコア営業損益が53億円の黒字で、前期の64億円の赤字から大きく改善した。売上高に相当する売上収益は前期比5.0%減の1713億円、純損益は2億3900万円の黒字(前期は171億円の赤字)。主力のブランド事業において商品仕入れ量の適正化を進めたことで減収となったが、正価販売の強化や不採算店舗・ブランドの撤退、人員整理といった構造改革が、利益面の改善に寄与した。
ブランド事業の売上収益は前期比5.4%減の1439億円、コア営業損益は30億円の黒字(前期は100億円の赤字)。緊急事態宣言が解除された21年10月以降は「インディヴィ(INDIVI)」など百貨店ブランドの既存店売上高が軒並み2ケタ増収ペースで推移。年明け以降の感染再拡大で一旦しゃがむも、気温が上昇した2月下旬以降は春物需要で息を吹き返した。
成長領域のデジタル分野は、高級バッグレンタルの「ラクサス(LUXUS)」のテレビCMなど投資が先行し、コア営業損益は13億円の赤字。製造や販売のリソースを外販するプラットフォーム事業は前期の医療用ガウン特需の反動もあり、コア営業利益は前期比65.7%減の11億円だった。
23年3月期連結業績予想は、売上収益が前期比23.7%増の2120億円、コア営業利益が2.3倍の125億円、純利益が22倍の55億円を見込む。