「カルティエ(CARTIER)」はこのほど、「グッチ(GUCCI)」のマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzari)最高経営責任者(CEO)が提唱する“CEO カーボンニュートラルチャレンジ(CEO Carbon Neutral Challenge)”への参加を表明し、気候危機への対策を優先的に実行することを誓約した。
2019年にビッザーリCEOは、業種の垣根を超えたさまざまな企業に向けた公開書簡で温室効果ガス(GHG)の排出量を減らすための迅速な対策を呼びかけた。気候危機や生物多様性の損失に対する解決策を見つけると同時に、企業の説明責任を果たすように求めた。これには、ラグジュアリーブランドの中古品を扱う会員制ECサイトを運営するザ・リアルリアル(THE REALREAL)、大手ソフトウエア企業のSAPなどが参加している。
「カルティエ」は、20年からサプライチェーン全体でカーボンフットプリントの測定を進めている。21年にはSBTiに加盟。再生可能エネルギーへの切り替えを進め、30年までに二酸化炭素排出量を46%削減することを目指す。新たに“CEO カーボンニュートラルチャレンジ”の参加企業として、事業全体のGHG排出量に関する説明責任を果たし、排出量削減に向けて優先的に取り組む姿勢を示した。また、削減できなかった排出量に関しては、生態系の保護につながる方法により年単位でオフセット(相殺)していく。
シリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)=カルティエインターナショナル プレジデント兼CEOは、「持続可能な業界への転換は、企業間の協力なしには達成できないだろう。生物多様性を保護し、地球にポジティブなインパクトを与えることは世界市民の一員としての義務だ。このチャレンジにより多くの企業が参加することを望む」とコメントした。