世界の主要ラグジュアリー企業はコロナ禍をものともせず業績を伸ばしており、2021年度の売上高は軒並み2ケタ増、コロナ前の19年と比べても好調だ。原料や生産コストの上昇を背景に、「シャネル(CHANEL)」や「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」などの人気ブランドでバッグの大幅な値上げが相次いでいるが、現在のところ売り上げに影響はないという。また、21年はファッション業界でもNFTやメタバース領域に注目が集まり、本格的に参入するブランドや小売りも増えた。ロシアによる軍事侵攻を受けているウクライナへの支援状況なども含め、ラグジュアリー企業の最新動向をまとめた。
「ルイ・ヴィトン」「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「セリーヌ(CELINE)」などを擁し、ラグジュアリー業界をけん引するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2021年12月通期の売上高は前期比43.8%増の642億1500万ユーロ(約8兆7974億円)だった。表にある通り、営業利益は倍以上、純利益は約2.5倍となっている。
これには、売り上げ全体の半分程度を占めるファッション・レザーグッズ部門が同45.6%増の308億9600万ユーロ(約4兆2327億円)と好調だったことに加えて、「ブルガリ(BVLGARI)」や「ショーメ(CHAUMET)」などを擁するウオッチ&ジュエリー部門も2.5倍以上(同167.1%増)の89億6400万ユーロ(約1兆2280億円)と非常に好調だったことが貢献した。その理由の一つとして、20年12月に総額158億ドル(約2兆540億円)で買収したティファニー(TIFFANY & CO.)が記録的な売り上げとなったことが挙げられる。
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