ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、メイクブランドが新製品やポップアップで新たな顧客接点を拡大した話。(この記事はWWDジャパン2022年5月16日号からの抜粋です)
【賢者が選んだ注目ニュース】
「ケイト」に聞いた絶好調の理由 SNS世代に刺さる商品誕生の裏側
ほぼ日ビューティブランドの人気スティックバームが単品発売
「ケイト」がデビューした1997年は細眉・茶髪の「アムラーメイク」に代表されるギャル文化全盛のころ。「日本で手に入らないブランド」として人気の出ていた「M・A・C」や「ナーズ」などのアーティストブランドを思わせるシャープな黒いパッケージは、ドラッグストアの店頭で新鮮に映った。「盛り」「デカ目」を目指して、マスカラを重ね塗りしたりアイライナーを強く引いたりするメイクがトレンドになる中で、インパクトのあるアイメイクアイテムを充実させた「ケイト」は、少しとがった、背伸びしたい女子たちに刺さる存在だった。ギャルメイクのトレンドが落ち着いてくると、眉や目もと、顔立ちの陰影を操る「整形メイク」のトレンドを代表するようなユニークなアイテムが登場。現在も受け継がれる多色アイブロウパレット「デザイニングアイブロウ」などの名品が生まれた。またベースメイクにも強みをもち、現行品の「リアルカバーリキッド」は、メイクが映えるカバー力の高いファンデを求める若年層に高い支持を受けている。
若年層をターゲットとした、いわゆるプチプラコスメの市場では、資生堂が「FSP」から「マジョリカ マジョルカ」へ移行する時期と重なる。ポップなイメージの2ブランドと対照的に、「ケイト」はクールな“攻め”のイメージを貫き、競争の激しいセルフ市場で存在感を示し続けてきた。
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