ファッション

ユニクロ流R&Dの核心“ボイス・オブ・カスタマー”に迫る わずか15件でも客の声を汲み取り改善へ

有料会員限定記事

 ユニクロというと、エアリズムやヒートテック、ウルトラライトダウンなど、定番品に強いというイメージを抱く人が多いだろう。定番品ゆえ、去年、一昨年と同じ商品を売っていると考えている人もいるかもしれない。しかし、実は定番品こそ売り続けるには細かな修正や改善が求められる。その修正・改善のためにユニクロが強化しているのが、同社がボイス・オブ・カスタマー(VOC)と呼ぶ「客の声を起点にした服作り」だ。カスタマーセンターに集まる膨大なメールや電話、ECサイトのレビューを分析し、商品の改善や新規開発に生かしている。ユニクロの中でも、特にVOCに注力し成果を出しているというウィメンズインナーチームを取材し、VOCが実際にどう機能しているのかに迫った。(この記事はWWDジャパン2022年5月9日号からの抜粋に加筆をしています)

 ユニクロのカスタマーセンターは、山口本社と東京・有明本部4階の2カ所にある。山口本社のセンターは所属スタッフ120人規模。21年4月に新設された有明本部のセンターは60人規模で、この2カ所に日本だけでなく世界各国からの客の声が集まる。“情報製造小売業”を目指すユニクロにとって、核となる施設の一つだ。

 センターに集まった膨大な客の声は、社内の関係各所に毎日共有される。MDやデザイナー、パタンナーらで構成される商品本部の元に届くのは朝7時だ。ウィメンズインナー部門では、炬口佳乃子ユニクログローバル商品本部ウィメンズMD部部長が専用フォームから客の声一つ一つに回答を記入するが、届く声にはチーム全員が目を通している。「いただく声の数はインナー部門では1日30〜50件。週末をまたぐと100件近い」と炬口部長。また、ECサイトのレビューもメンバー各自がチェック。そのように集まった声の中に気になる傾向が見つかれば適宜会議を開き、必要に応じて即座に修正をかけるべく動く。これがVOCの流れだ。

この続きを読むには…
残り1560⽂字, 画像2枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

UNIQLO x ビジネスの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

メンズ32ブランドの猛暑に負けない推しスタイル 2025年春夏メンズ・リアルトレンド

「WWDJAPAN」12月16日号は、2025年春夏シーズンのメンズ・リアルトレンドを特集します。近年は異常な暑さが続いており、今年の夏は観測史上最も暑い夏になりました。ファッション界への影響も大きく、春夏シーズンはいかに清涼感のあるスタイルを提案するかが大切になります。そこで、セレクト各社やアパレルメーカーの展示会取材、アンケートを通して全32ブランドの推しのスタイルを調査し、メンズのリアルな傾…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。