ゴルフウエア市場が新規参入ラッシュに沸いている。コロナ下で密にならないレジャーとして、30〜40代のエントリー層が増えた。彼ら彼女らを狙った新ブランドが雨後の筍のように生まれている。一方で早くもブランド過多を懸念する声も上がっている。(この記事はWWDジャパン2022年5月9日号からの抜粋です)
昨年から今年にかけて登場したゴルフウエアの新ブランドは、主なものだけで下の図表の通りだ。小規模なスタートアップ企業や既存ブランドで新設されたゴルフラインを合わせれば50を超えるとも言われている。コロナ下の消費低迷によって、アパレル各社の新ブランド・新業態の開発が少なくなっているのに比べて、ゴルフウエアだけは別世界といってよい。
矢野経済研究所が昨年12月に発表した国内スポーツアパレル市場の調査でも、ゴルフの好調は数字に出ている。ゴルフウエアの市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、コロナ前の2019年が909億円、コロナ下の20年こそ外出制限で794億円に沈むが、21年は910億円とコロナ前を上回り、22年には960億円まで上昇する見通しだ。
人気のゴルフ場は昨年秋以降、予約も難しい状況になった。ゴルフウエア売り場では在庫切れによる売り逃がしの声が多発した。海外旅行やイベントが制限される中、その分のお金がゴルフに回るようになったのだ。
先行組はその恩恵を受けている。TSIの主力ブランド「パーリーゲイツ」は22年2月期の売上高が前期比5割増の150億円に跳ね上がった。ウエアの個性的なデザイン、地道なファン作り、原英莉花選手ら人気若手プロの活躍、それにゴルフブームが重なって販売が跳ね上がった。ゴルフウエアのリーディング企業であるデサントも「デサント」「マンシングウェア」「ルコックスポルティフ」といった主力を中心に、コロナ前を上回る結果を残している。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。